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Backdoor Rothにリスク?

小心者(ゲスト)

こちらでBackdoor Rothの存在をしり、2015年から利用しようかと考えております。ブログのエントリや掲示板など、とても詳細に書かれておりどこよりも参考にさせて頂いております。情報を提供して頂いている皆様、どうもありがとうございます。

さて、Backdoor Rothについて自分なりに調べているうちに、Charles Schwabのサイト(http://insights.schwab.com/retirement/backdoor-roth-is-it-right-you)で以下のような文言を見つけました。

Although this loophole has existed since 2010, the IRS has not officially decided whether it violates the step-transaction rule. (When applied, this rule treats what are several different steps as if they were a single transaction for tax purposes.) Experts disagree on the likelihood of this happening, but the lack of a definitive ruling means there is some risk involved. If the IRS decides that the loophole is a violation, you will owe a 6% excise tax for overfunding your Roth.

一方でどこかのファイナンスのブログでは、2016年からBackdoor Rothに制限がかかるのではと予想しており、「2015年分最後のconversionをしましょう!」と言っておりました。

もし近い将来に制限がかかるのであれば、わざわざ今からリスクがあるかもしれないBackdoor Rothをはじめる必要はないかなと思うのですが、皆様どうお考えでしょうか?それともCharles Schwabは「100%安全とは言えないよ」と釘を刺しているだけなのでしょうか?(もしBackdoor Rothを行う場合、Charles Schwabにあるrollover IRAを職場の401Kにroll-inするところからはじめます。)

皆様のご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いします。

jinmei 2015/03/28(土) - 18:48

Backdoor Rothがstep transaction ruleに抵触するのではないかという点はよく議論の種になっているようです。個人的には、私はこちらのtutorial blogに書かれている内容に賛成で、とくに心配はしていません。

一方でどこかのファイナンスのブログでは、2016年からBackdoor Rothに制限がかかるのではと予想

これは初耳だったので調べたところ、オバマ政権の2016年度予算案に含まれているようですね(Forbesの記事)。このForbesの記事でも引用されている、財務省発行のGreen Bookにもその提案が明記されています。Roth IRAにもMinimum Required Distribution(MRD)を適用するという提案(上記Green Bookの143ページ目)も含まれていたりして、まともに法制化されるとかなり多くの人に影響が出そうです。

問題は、共和党が多数を占める議会でこうした提案が通るかということでしょう。とくにこと税金絡みの話となると、政権側の提案をまともに共和党が通すことはかなり考え難いように思います。一方で、loophole潰しという考え自体には賛成する共和党議員もいそうですし、backdoor Rothは既得権者の層が微妙(「所得がやや多目で多少お金に余裕がある中間層」以外にはたぶんどうでもいい話)なので、共和党の議員にとっても比較的妥協しやすい変更かもしれません。

ところで、このForbesの記事でもさらりと以下のように書かれていますが、

One unintended consequence of trying to kill off backdoor Roths is that the Administration has in effect given a tacit validation to the strategy

こういう提案が出されるということは、現状の法律ではbackdoor Rothを禁じることはできないと政府は考えていることを意味しているとも言えそうで、そうであれば、いま現在における"risk"についてはなお一層心配いらないとも言えそうです。

ここまでの点をもっともだとお考えになるのであれば、

もし近い将来に制限がかかるのであれば、わざわざ今からリスクがあるかもしれないBackdoor Rothをはじめる必要はないかなと思うのですが、皆様どうお考えでしょうか?

「わざわざ今からリスクがあるかもしれない」という点を心配して取りやめる必要はないと思います。「近い将来の制限」の可能性をどう考えるかは難しいところですが、私だったら、とりあえず利用できるうちは利用し続けると思います。たとえわずかな金額でも、その分についてはペナルティを受けたり後追いで税金を取られたりすることはなさそうですし、逆にしばらくは(あるいは今後長い間)禁止されずに利用できることになるとすれば、状況を見極めようとしている間に逃す拠出機会の方が惜しいように思えますので。

もし一つ考えるべきことがあるとすると、状況がわかる前にpre taxのIRA moneyを401(k)にrolloverしてしまっていいかどうかということでしょうか。401(k)内に有力な投資の選択肢があるのならよいですが、多くの401(k)プランのようにコスト高でいまひとつなファンドばかりというような状況だと、わざわざ投資効率的に不利なrolloverをした上でRothの恩恵もあまり受けずに終わる、というのが最悪のケースとして考えられます。それを抜きにしてもIRAから401(k)へのrolloverの手続きは面倒ですし、その手間をかけても高々1年分のRoth拠出しか得られないのならあまり意味はないという考えもあるかと思います。この辺りは個人の好みや401(k)プランの詳細などに依存するので、一般的にどちらがよいとは言いにくそうです。

小心者(ゲスト) 2015/03/28(土) - 21:53

jinmeiさん、

ご返信どうもありがとうございます。jinmeiさんのブログのエントリを読んで勉強したので、著者?の方から返信をいただけてうれしいです。また私の拙い英語力と乏しいファイナンスの知識では分からなかった"リスク"の背景を日本語で説明していただいたので、安心できました。

>もし一つ考えるべきことがあるとすると、状況がわかる前にpre taxのIRA moneyを401(k)にrolloverしてしまっていいかどうかということでしょうか。

こちらなのですが、お恥ずかしいことに今まで何も考えずに薦められるままにAll-in-on fundを選び、パフォーマンスなども気にせず買ったまま放置してきました。(どこかのエントリの通りすがりさんの言葉を借りるならば、絶賛気絶中です・・・。)
何を選んだかも覚えていなかったのですが、見直したところ、

401(k)($100K程度) - Vanguard Target Retirement 2045 Trust Plus (ER 0.07%)
IRA($150K程度) - Schwab Managed Portfolios – Mutual Funds Growth (ER 0.8%)

でした。今回のroll-inを抜きにしても、ERだけを見るとVangardのほうが魅力的にみえるのですが、他に考慮する点はあるのでしょうか?(超初心者の質問ですみません・・・。)

またこちらの掲示板にいらっしゃる皆様には叱責をうけそうですが、1年程前までCharles Schwabのチェッキング口座に$300Kほど放置していたので、こちらもすすめられるままにSchwabのMutual Fundを買いました。今気がついたのですが、これが上記のIRAアカウントのポートフォリオとほぼ同じでした。こちらもCharles Schwabにお金があったという理由だけで選んだので、こちらの掲示板でよく名前を目にするVanguardやFidelityなどで低コストのファンドを探したほうがいいのではと思いはじめております。

jinmei 2015/03/29(日) - 15:00

今回のroll-inを抜きにしても、ERだけを見るとVangardのほうが魅力的にみえるのですが、他に考慮する点はあるのでしょうか?

まず、401(k)へのrolloverで不利なファンドへの投資を強いられる結果にならないか、という懸念に関して言うと、少なくともVanguardのtarget fundという選択肢があるのでしたら悪くはないように思います。私は自分自身ではこのfundの詳細までわかっていませんが、他のVanguardの商品と同様、target fundも評判はよさそうですし、一般的に言って自分でいろいろ考えるのが面倒という運用者には低コストのtarget fundは悪くない選択肢かと思います。

より一般にいえば、taxableにある$300Kの運用資金も含めて、全体の運用ポートフォリオをどのように構築したいのかを考え、その上でIRAの資産を401(k)のtarget fund(またはその他のfund)に移すことがその方針にかなっているかどうかを検討する必要があるでしょう。ただ、これはbackdoor Rothそのものの話題からは大きく逸れてしまいますので、ご興味があるなら別なトピックとしてお聞きになるといろいろな意見が得られるかと思います。

小心者(ゲスト) 2015/03/30(月) - 15:31

jinmeiさん、

コメントありがとうございます。商品やレストランを選ぶときにはレビューを必死にみるのに、fundの評判など見たこともなかったので参考になります。仰るとおり別のトピックで新たに質問をさせて頂きたいと思います。どうもありがとうございました。

mikichin 2015/03/30(月) - 17:48

このニュース、まったく気がついていませんでした。
とてもショックです。
今まで税金が余分にかかるからrolloverしてこなかった401kのmatch分も今年最後になるならRoth IRAに思い切ってrollover(convert)してしまおうと思います。
ただ401kからRothへのafter tax rolloverが来年から止められるのかどうか、いまいち読めませんでした。
どこかに詳細を記述してある部分はあるでしょうか?

jinmei 2015/03/31(火) - 00:20

ただ401kからRothへのafter tax rolloverが来年から止められるのかどうか、いまいち読めませんでした。どこかに詳細を記述してある部分はあるでしょうか?

これに対する直接の答えは持ち合わせていませんが、TIRAからRIRAへのbackdoorについての詳細は、先のコメントでもリンクした財務省のGreen Bookの173ページ(PDF全体では185ページ)目が一次情報になるかと思います。この字面を読む限りではtraditional IRAからへのconvertだけが名指しで指定されているので、その他の方法については制限されないようにも見えます。

一方、"Reasons for Change"の項では、「AGI制限で本来Roth IRAに拠出できないはずの人がbackdoorを使って事実上RIRAへの拠出をしている」ことが問題だと言っているので、その心をくむなら、実際の法律や運用の段階では、AGI制限を迂回するかのような手法全体が規制の対象になりそうな気もします。

一方でまた、IRSが最近発表したNotice 2014-54では、転職や引退などで401(k)をまとめて引き出すような場合を対象に、after tax部分をpro rata制限なしにRoth IRAにrolloverできると明記していたりして、むしろafter tax 401(k)部分のRIRAへのrolloverにお墨付きを与えているような感じでもあります。あえて違いを探すなら、backdoor Rothはあからさまなloopholeと言えるのに対して、401(k)からの場合、プラン側の規定次第で拠出してすぐにrolloverするような露骨な迂回方法が必ずしも可能ではないことから、その分のearningについて税金を先払いするかわりにbackdoor的側面は見逃してやろう、ということなのかもしれません。

結局、今ひとつはっきりしないので、もしこの制限が実現することになった場合には専門家の見解を仰ぐしかないのかもしれません。個人的には、こうした細部の技術的な問題よりも、そもそもこの制限案が議会を通るかどうかの方が問題で、しかもその見込みはかなり薄いのではないかと思っているのですが…

jinmei 2015/03/31(火) - 11:08

追記です: IRS Pub 590のRollover From Employer's Plan Into a Roth IRAによると、

Any amount rolled over is subject to the same rules for converting a traditional IRA into a Roth IRA.

とありますので、traditional IRAからのconvertとして禁じられるものは401(k)からのrolloverとしても禁じられると解釈するのが妥当なように思います。その方が一つ前のコメントに書いた"Reasons for Change"の精神にも沿っていると思いますし。

ただ、これも状況証拠による推測でしかないので、もしこの制限が正式に導入されることになったとしたらその時点での公式な説明を参照するか、それでも曖昧ならやはり専門家に相談した方がいいでしょうね。

mikichin 2015/03/31(火) - 13:25

jinmeiさん

調べてくださってありがとうございます。
私も直接rolloverでも制限するという記述は見つけられなかったのですが論理的に考えて401k in service rolloverも同様の基準で扱うということになりそうですね。
今から税金の引き落とし額を増やして、最後の(?)company match分rolloverの課税額に備えようと思います。
ただmatch分は給料日毎に貯まるのと、2016 budget planがそのまま承認されるか不鮮明なので12月までpre-tax分のrolloverは待つことにします。
オバマのことがこの件で嫌いになりそうです。

jinmei 2015/03/31(火) - 16:17

何か勘違い or 個別の事情を見落としているかもしれませんが、match分はpretax扱い(=将来の引き出しでは全額がincomeになる)ですよね?だとしたら、今回のことを理由にmatch分を慌ててrolloverする必要はないのではないでしょうか?この提案で制限されるのはafter tax分のconvertのみですので。

ところで、最初のご質問のafter tax部分の扱いについてですが、Green Bookに以下の記述があるのを見逃していました。

A similar rule would apply to amounts held in eligible retirement plans.

tax code(のQ&A)によれば"eligible retirement plan"には401(k)も含まれるようですから、提案されている制限によって401(k)のafter tax分もRoth IRAにrolloverできなくなるのは間違いなさそうですね。(そうなるとIRSのNotice 2014-54との整合性はどうなるのかというのも気になってきますが…)

mikichin 2015/03/31(火) - 17:24

はい、match分はpre-tax扱いです。
after-taxのrolloverと違って制限を受けないのですね。
不安に思っていたのは、rolloverがconvertと同じ解釈だとFidelityに言われたことです。
pre-tax分の401k rollover(Roth conversion)も今後年収制限を受けてしまうかと勘違いしていました。

ということは来年まで待ってから毎年少しずつ税金を払える範囲でmatch分をRothに移していくことで問題なさそうですね。
せっかく大きく育てたので、これからもRothに貯めていきたいです。
Notice 2014-54はお墨付きがもらえたとすごくうれしかった記憶があります。ぬかよろこびですね。

F Fries 2015/03/31(火) - 18:19

これ、529プランを潰そうとして総スカンをくらい、慌てて引っ込めたのと同時に出た案ですよね?税制的に529とほぼ同じ層(アッパーミドルの給与所得者)をヒットするので、実現の可能性はないだろうと思ってたのですけど、甘いのかしら。

小心者(ゲスト) 2015/04/01(水) - 01:10

mikichinさん、

最近Backdoor Rothという言葉を知り調べていたところでしたが、mikichinさんとjinmeiさんとのやり取りで401k in service rolloverというものを知り、mikichinさんの過去の投稿から色々勉強させて頂きました。加入している401kプランがin service rolloverを認めているので、Roth IRAに$26k(in service rollover)+$5.5k(Backdoor)+$5.5k(Non working spouse分)と拠出できそうです(例え今年で最後になったとしても満足です)。情報を残して頂いてどうもありがとうございました。

mikichin 2015/04/02(木) - 16:42

小心者さん

Roth IRAは2010からconvertの年収制限が無くなると分かり、2010の数年前から401k after-taxとT-IRAをこつこつ拠出していました。
とてもうれしかったものですが、いいことは長く続かないですね。
予算案却下を祈りつつ過ごします。

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