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為にならないオプションの話 (2)

(このポストはOption取引を推奨するものではありません)
(またオプション市場は株/先物と違い完全ゼロサムでマネーゲームの場ですから、「興味をひかせる/誘ってる文言」=「カモを探している」が基本です!気を付けてください! 笑)
(通りすがりは市場関係者とか投資で生計を建ててるとかではありません。超絶素人ですので眉唾で読んでください)

為にならないオプションの話、第2弾。

オプションって興味はあるけど怖いって聞くし~ってのはある意味正しいので、普通に投資したい人にはまったくもってオススメしないという立場なのは変わらないのですが、逆にオプション(の組み合わせ)ほど安全かつaverageの利回りが高くなり得るものもないので、その話を。

もし「償還◯年の債権型商品で、元本は完全に(※)保障されるしS&P500が上昇した場合はそれに応じた利益を得ることが出来る」(すなわち通常の債権よりも高利回りの可能性があるのに元本保障)なんていう金融商品があったらどう思いますか?
すぐに飛びつきますか?(※)が怪しすぎて避けますか?

基本元本保障を謳ってる債権以外の商品ってインチキの匂いがプンプンですよね。
でも一般市場(secondary market)では取引されませんが、これに類する商品は存在します。
大抵Market Linked CDなんていう名前がついていたりします。

実はMarket Linked CD (Equity Linked Note)は、大抵の場合OptionとZero Coupon Bondの組み合わせです。

中身はどうなってるかというと、Zero Coupon Bondで投資金額分を保障した上でATMのOTMのS&P500のCall Optionを買っているのです。

例えば$1000をこの商品に投資する場合、まず$1000分のzero coupon bondを買います。Zero couponなので額面$1000の債権がdiscount状態で売られています。例えば$950(5% discount)。$50のキャッシュがあまるので、これでS&P500のCall Optionを買います。
Zero Coupon Bondへの投資なので$1000は保障されています(※)。
S&P500のCallを買っているのでBondの償還時にCall OptionがITMになっていれば買ってるCallのStrike Priceと償還時におけるS&P500の差額が利益になります(すなわちS&P500値上げ分は利益)。

基本的に債権の償還期間と一般Optionの限月とだと債権の方が長すぎなのですが、LEAPs(9ヶ月~2年以上期先のオプション)という手もありますし、限月短めのオプションをRollしていくという手もありますし、コストはちょっと高くなりますがCall Optionを先物で模倣することもできます。
もっとも個人レベルでやろうとすると相当の資金が必要なので金持ちのぞく一般人にはほぼ無理。ML CDやELNだと結局手数料で証券会社の懐を暖める程度の話にしかならないので、やっぱりS&P500をまんま買うかZero Coupon Bondをそのままにしておくほうが100倍マシな事が多いですけどね。
もちろん「S&P500が下落した場合には一定割合の利益」なんていう投資にもなりえます(CallではなくPutを買う)。

この投資の欠点としては、
- 金利が低い債権ベースだとBondのDiscountが低いのでOptionを買える量が少ない、ないしは買えない
- 故に低金利市場の状態で利回り追求するとcredit riskが高い債権を買うはめになる。
- 購入するBondのdefaultの可能性は存在する。ベースになる債権のcredit riskが高ければなおさら
 (これが※部分。このタイプのML CD/ELNにはかならずdefaultリスクが明記されているはず)
- Bondがベースのstructured productなので償還日前に現金化できない(ないしは、しようとすると大きく損をする。元本割れも普通にありえる)
- Zero Coupon BondがCall(設定償還日前に発行元が償還してしまう事。オプションのcallとは違う)される可能性がある(=この場合額面以下の償還になるので元本返ってこない。これも※部分)

この商品/手法のポイントはOptionが原資産(この場合S&P500そのもの)よりも格安で手に入れられる事と、Zero Coupon Bondはdiscountされた値段で売られている(元本保障をした上でキャッシュ・フローが生まれる)事にあります。

ちなみに表立って一生懸命売っている感じはしませんが、ML CD/ELNは大抵の銀行/証券会社で売っています。窓口いって聞けば(多分)買えます(笑
ちなみに、おすすめはしません。なぜなら表面に出てきていないリスク(default、bond call)がそれなりに大きい上に基本的に手数料相当のものが大きいので。
ただ「元本保障を謳っていて株式市場への追従もする」金融商品の中では、(詐欺的でないという意味で)まともな類です。

このように、optionをうまく組み合わせると、ちょっと普通だと嘘くさく感じるような投資手法が生み出せたりします。
次回(?)は詐欺的なoptionを利用した金融商品の話でも書いてみようかと思います。