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歩道をめぐる戦い

F Fries

アメリカでは家を所有するというのは何だかバトルの連続のような気がしてきた。前に駐車スペースをめぐる攻防について書いたけれど、こんどは歩道。

ことの発端は三週間ほど前のこと。同居人が「市役所職員らしきやつが近所の歩道にあちこち印つけて回ってるで。うちも何カ所かつけられたで。」と昼間、職場に電話してきたのが始まりだった。

歩道というのは市有地であるが、自分の家の前の歩道の維持補修は、家の持ち主の責任というのがアメリカでは多い。(歩道に芝生があれば、その芝生の草刈りも家の持ち主の責任である。そのくせ、芝生に木が生えている場合、家の持ち主に木を切る権利はない。エバンストンのときに市役所公園課が「木が痛む」のなんのと言ったのは、この歩道の木のことである。)

帰ってから歩道を見てみると、うちの前は三カ所。「整備不良、修復すべし。」の印であることは明らかである。

ここはマンホールを中心に敷石にヒビが入って、全体が傾いている。(敷石2枚)

ここは隣の敷石との間に隙間ができている。(写真右上)

市役所が何か言ってくるまで放っておこうと様子を見ていたら、果たして先週、市役所から書留(Certified Mail)で整備不良を通告する手紙が来た。(しかし、他の肝心なものはただの普通郵便で送ってくるくせに、なんでこんなもんを書留で送ってくるんだ?税金の無駄づかいだ〜!)それによると、自分で修理するなら、手紙が送付された日から20日以内に完了しなければならないこと。それに当たっては、まず市役所に電話して自分(または自分の雇った修理業者)で修理する旨を報告し、敷石の枠ができた時点およびコンクリートを流した時点で市役所の認可を受けること、その期間内に連絡のないものは市に修理を委託したものと見なし、市の雇った修理業者が修理を請け負うこと、その費用は完成後に家の持ち主に請求されること、ちなみにわたしの家の場合は市の委託業者にさせた場合、見積もり額は幅5フィート、長さ20フィートで面積100平方フィート、$366であるとのことだった。(たった3枚の敷石に20フィートの見積もりを出してくるということは、印をつけられていない敷石も砕いて敷き直すということに違いない。なんという無駄!)

だいたい、上の写真の部分はマンホールが傾いているから敷石が傾いたのであって、マンホールの維持補修はいくら歩道の真ん中にあるとはいえ、市役所の責任である。その上ご丁寧なことに二週間ほど前に市役所の職員がこのマンホールのチェックに来たそうだが、なんとこのマンホールは実はどこにもつながっておらず、蓋の下は砂で埋められているのだそうである。(日中、家にいて、このようなことを全部偵察してくれる同居人がいるのはまことに有り難いことである。)偽マンホールのせいで傾いた敷石の修理なんかまっぴらごめんである。

下の写真の隙間の方であるが、わたしは自転車/徒歩通勤なので近所の歩道の状況はよく知っている。近所のこんな歩道も

(段差を定量的に表すために、わたしのカメラの充電器を並べて写真に撮った。この充電器の高さは8.5 cm。断っておくが、ここは階段ではない。平坦であるべき歩道である。)

こんな歩道も

要修理マークが付けられてないのに、なんでうちの前の敷石の隙間が修理対象なのか?

この不景気の中、どこの自治体も財政難だそうだが、オマハもかなり悪いらしい。とくにこの冬は雪が多かったので、除雪費用と雪解け後の道路の路面修理のために、道路関係は予算を大幅にオーバーしているのだろう。雪の中、路上駐車している車をどんどん駐車違反でレッカー移動して罰金を取ったのは、予算の不足分を埋める方策の一つだったと聞いている。この歩道修理の件も、市が業者を雇ってやらせるとのことだが、業者から市に何らかのキックバックがあるに違いないとにらんでいる。いったいどういう基準で要修理マークを付けているのか不透明なところも、すごく腹が立つ。

でも、問題は、この不服をどこに訴え出るかなんだよね。市民に嫌がらせをしているのが市役所である以上、市役所に訴え出ても握りつぶされるだけだろうし、うちの地区の市会議員は、冬場のレッカー移動作戦(?)の発案者だったという噂もある。これがエバンストンなら、コミュニティー新聞に投書すれば、どこからともなく「同好の士」が現れて、結構世論を動かすことも容易なのだけど、オマハというところはうちの同居人に言わせると、どうも民意が低いというのか、あんまり草の根パワーはないらしい。$366のために弁護士を雇うのは意味があるのかな?

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