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ボーナスの行方

F Fries

思いがけず、大学からボーナスがもらえることになった。

お知らせメールには、「Congratulations! 賞与をどのような形で受け取りたいか、添付の書類に記入して返却してください」とあり、オプションとしては「給与として受け取る」と「自分の研究費アカウントに入れる」の2つが選択できるようになっている。しかも、これは全額をどちらか一方の形で受け取るだけでなく、一部を給与、残りを研究費という選択もできるようになっている。

さて、それぞれの方法の長所・短所はというと、

「給与」として受け取ったら、もらったお金は自分のもの。自分で好きなように使うことができる。(目前に締め切りの迫った固定資産税支払い資金の一部にすることもできる。)ただし、もらったお金には当然、税金がかかる。連邦所得税、州の所得税、メディケア、ソーシャルセキュリティ、すべて課税される。しかも、臨時所得のせいでtax bracketが上がる可能性があるので、このお金のかなりの部分が税金に持って行かれることになる。

一方、「研究費」として受け取ると、税金はかからない。実際に研究費に入れた人の話を聞くと、外部グラントの研究費よりは利用規則も緩く、わりと自分の裁量で使えるらしい。その人は、ラボミーティングで出すお菓子代をそこから払っていると言っていた。しかし、いくら規則が緩いといっても、さすがに自分の家の固定資産税までそこから出すわけにはいかない。

どうするか?

いろいろ考えた末、結局、問題を先送りにすることにした。(なんと日本的な解決策!)つまり、pre-taxでリタイアメントアカウントに入れるのである。一口に州立大学といっても州によってリタイアメントアカウントの取り扱いは大きく異なるのだが、ネブラスカの場合、大学職員はペンションはなく、代わりに3種類の定額拠出型アカウントを持つことができる。一番目は401(a)で、これは強制。自分の拠出額(うちの場合、金額ではなく、給料の何%という形で指定する)に応じて、大学からマッチがもらえる。(マッチ額はかなりいいし、べスティングの待機期間もない。)昔はペンションだったものを、定額拠出型に変えたものではないかと思う。二番目が403(b)。これは一般企業の401(k)に相当するもので、拠出額の上限、50歳以上のキャッチアップ条項、ペナルティなしに引き出せる条件など、401(k)とほぼ同じ。うちの場合、これには任意加入で、マッチは付かない。去年からpre-taxでもafter-taxでも拠出できるようになった。さて三番目が457(b)。これは公務員のためのリタイアメント貯蓄で、現在の規則ではpre-taxでしか拠出できない様子。内容的には403(b)と似たようなものと理解している。

これまで401(a)と403(b)に拠出してきたのだが、今回の臨時収入は新たに457(b)を開いて、そこに入れることにした。ついでに、去年から403(b)への拠出はafter-taxにしていたのだが、最近は超低金利のモーゲージにリファイナンスしたため、住宅ローン利子控除額も微々たるもので、どうも税金を払い過ぎてるような気がしてならない。そこで、403(b)もpre-taxに戻して、税金の支払を先送りすることにした。将来的には税率は上がるから、今のうちに払っといた方がいいとも言われているが、目先の節税の魅力は強い。まあ、強制引き出し開始年齢(70歳半)になるまでには、何かいい節税案が浮かぶに違いないと根拠のない期待を抱いている。実際、わたしがアメリカに来てから、自家不動産売却収益の税法上の扱いが大きく変わったからね。今の税制が永遠に続くと思うのは間違いなのである。

(注意書き:財政状況はご家庭ごとに異なりますので、よく注意して決断を下してください。)

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