メインコンテンツに移動

投資口座や投資会社は複数に分ける必要があるの?

ポピー

投資口座やIRA等を開くに際し、「ファンド会社・証券会社が倒産・破綻した時を考えて、同種の口座・ファンド・会社を複数分ける必要がありますか?」という質問が、よく出てきます。

一般的には、大手の信頼できる会社ならば、倒産・破産リスクを避けるために、同種の投資口座やファンドを複数の会社に分ける必要は無いだろうと思われます。

投資資金は一つの会社の口座にまとめた方が、税金処理や書類が簡単になりますし、Expense Ratioの低いシェアクラスを利用できたり、様々な特典サービスを受けられることが多いので、分けるよりも、まとめて管理する利点が大きいです。

ファンド会社も証券会社も、顧客のお金・証券は、会社自身のお金・証券とは別に扱う義務があり、勝手に使ったり売り買いすることはできません。きちんとこの義務・規則を守っている会社ならば、破綻・倒産しても、顧客のお金や証券は別に確保されているはずです。

(ここで特筆すべきなのは、Money Market Fundで、この種のファンドに損額が出た場合は、運用会社がその損を埋め合わせていることがあるので、運用会社が破綻すれば、埋め合わせが難しくなり、元本割れする可能性もゼロではありません。)

個人顧客相手のブローカー業務は、きちんと運営されている限り、それなり商用価値があるので、別の会社が買い取って、そのままサービスを引き継ぐことが多いです。例えば、倒産したLehman Brothersの場合、ブローカー部門はBarclays社に、Asset Management部門はNeuberger Berman社に、それぞれ引き継がれています。

しかし、証券会社の投資口座にまったく問題が起きないか・・・というと、そういうわけでもありません。

問題が起きるのは、証券会社が規則・法律を破って、顧客のお金や証券を 勝手に使ったり売り買いしてしまったり、記録がきちんとされておらず紛失されてしまった場合ですね。

SECの監督下にある、大手の信頼できる証券会社やファンド会社ならば、そういった問題がおきるのは稀だと思われています。

しかし、すべての証券会社やブローカーに問題が無いと言い切れるわけでもない。

特に、倒産間際には色々ゴタゴタがありますから、事務がきちんとしていない会社だと、どれが誰のお金・証券だか分からなくなってしまう可能性もゼロではありません。

万が一顧客のお金や証券が紛失した時のために、SIPC(Securities Investor Protection Corporation、通称でシィピックと発音される)という機関が存在し、SIPCのメンバー金融機関でそういったトラブルが起きた場合、紛失した証券の50万ドルまでのクレイム(うち、現金のクレイムは25万ドルまで)を保証することになっています。

SIPCは、限度額内で証券を取り戻すことを保証してくれますが、それらの証券の市場価値が落ちてしまった場合の損額の保証はしてくれません。

また、SIPCは、商品先物取引の口座の保証はしていません。最近、顧客のお金が消えて問題になったPeregrine Financial Group社やMF Global社でも、商品先物を扱う口座には、SIPCの保証が付かなかったようです。

Bernie Madoffのポンジー詐欺の場合は、彼の正当なブローカー会社の付属機関で起きた詐欺であり、ステートメントにSIPCの紋章が付いていたということで、SIPCの保証が付いたようです。

Allen Stanfordのポンジー詐欺の場合は、詐欺商品が売られたのは彼の銀行組織からだという理由で、SIPCは現時点では被害者の保証をしない姿勢のようです。 (SECとSIPCの間でまだ揉めている)

また、個人ブローカーや小さいブローカー会社での、詐欺や詐欺まがいの事件は時々起きるようです。

まあ、そういった例もあるので、投資口座を開く先の会社が、どれだけ信頼性のある会社で、どういった政府機関の監督を受け、どういった保証・保護機関のメンバーなのか、チェックしておく必要もあるってことなんでしょうね。

コメントを追加

認証
半角の数字で画像に表示された番号を入力してください。