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貧富格差の広がるアメリカ

アメリカの景気は2009年半ばに底打ちして以来、じれったいほど緩やかな回復を続けている。

Pew Research Centerのレポートによると、2009年から2011年にかけての景気回復期の間にも、アメリカ社会の貧富の差は広がっていたらしい。

Pew Research Center: A Rise in Wealth for the Wealthy; Decline for the Lower 93%

説明は意外と単純。

ミドルクラスの純資産は主に家のEquityなのに比べて、富裕層の純資産には金融資産の占める割合が高い。

2009~2011年には、住宅価格はジリ貧(Case-Shiller Home Prie Index はー5%)だったの比べて、株や債券といった金融資産は勢いよく回復した(S&P 500は34%上昇)。

よって、金融資産を多く所有していた富裕層は、その勢いで資産を回復・増やした。

一方、住宅バブル崩壊で、純資産を4割近く失ったミドルクラスは(これは連銀レポートの話で既出)、まだ住宅市場の回復を待っている途中。

まさに、The rich get richer… というお話。

Change in Aggregate Assets

レポートによると、2009~2011年の間に純資産が増えたのは、純資産額が$889K(2009年)を超える、トップ7%の富裕層。

このトップ7%は、2009年には米国個人資産総額の56%を所有していたが、この割合は2011年には63%に上昇している。

Share of Aggregate Household Wealth

2009年から2011年にかけて見ると、トップ7%は純資産総額を$5.6 Trillion増やしているのに比べて、残り93%の純資産総額は$0.6 Trillion減ってしまった(涙)。

Aggregate Net Worth

この2年間の景気回復の影響が何とも不均衡だったってことですね。

景気回復はまだ続いているので、93%がその恩恵を受けるのはもっと先のことなのかもしれない。

起業などして成功した人が超リッチになるのは、いかにもアメリカなんだけど、あまりに極端に貧富の差が拡大するのは、道徳的問題であると同時に、社会の基盤を揺るがすことになりかねない困った事態である。

あと、もうひとつ気付いたのは、富裕層の持つ債券資産総額がわずか2年の間に4倍以上伸びていること。ボンド・バブル現象の一端を見ている気がする。一部のリスク回避志向の現れ?

このレポートから無理やり実践的教訓を汲み取るとすると、やはりリスク管理の視点からみた分散投資の強み。でも、分散するにもまずある程度の資産額が必要ってことなんでしょうか。

コメント

丁度いいタイミング(?)でConsumer Confidence Index(消費者信頼感指数)でHome Valueが上った事で市場が思ってた以上の上昇を見せたようですね。
bloombergの記事

元記事が2009-2011で話をしてるのは「結論ありきのデータ見せ」じゃないかと疑いたいぐらい、住宅価格はここ1年ぐらい上昇している気がします。
そもそも株価は経済先取り指標、不動産は概ねその時の経済指標なので株価先行の回復は普通かと。
それをクラッシュして回復しはじめてから2年だけを見るとか、ちょっと・・・(笑

まあ貧富の差が拡大しているのは紛れもない事実ですが、アセットクラス所以では無い気がします。
通常の経済サイクルとして、まずは富裕層にお金が流れそれが下流へと還元されていくものだと思いますが、その還元率が問題(すなわち経済構造の問題)じゃないでしょうか。
でも還元率を高くする(=総中流化的思考)というのは、アメリカがアメリカじゃ無くなる事じゃないかなーと思ったり。

>通りすがりさん

そうですね。「2年だけでこんなに!」と興奮して書いてしまいましたが、「2年だけじゃ分からない」って言うのも事実です。

例えばバブル崩壊前の2年だったら、「家を持つミドルクラスの経済レベル向上」みたいな結論になったのかも(笑)。

富裕層から他の層への還元も、市場経済を通すより、税金・政府を通しての還元チャンネルばかりが拡大していくのも気掛かりですよね。

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