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なぜリタイアメントプラン?

誰に頼るのか、それが問題

なぜリタイアメントプランを考えなければいけないのでしょうか?それは、老後、仕事を辞めてもできれば楽に暮らしていきたい、と願うからだと思います。社会保障(日本でいう年金)は当てにできませんし、アメリカが高税率の超福祉国家になる確率は低いでしょうから、仕事をしないでも暮らしていけように「何か」に頼らなくてはいけません。その「何か」を考えるのがリタイアメントプランです。 「何か」を自分で用意しておけば「仕事をしなくても楽に暮らしていける状態」になり、それがFinancial Independenceであることに他なりません。つまり、老後に頼れるのは自分の資産なのです。もちろん、家族(主に子供でしょう)のサポートや社会保障など政府の補助はあるでしょうが、それだけでは十分ではないでしょう。

日本との比較

アメリカには社会保障(Social Security)があり、日本で言う国民年金や厚生年金と同等の役割です。日本も年金の将来が不安視されていますが、アメリカでは社会保障は2041年には資金がなくなると予測されています。実際には給付金の減額や、社会保障税の増税で対処することになると思いますが、それでも社会保障だけで暮らしていける保障はありません。 企業年金(Pension)や退職金などはどうでしょうか?アメリカの大企業であれば企業年金がある場合もありますが、多くの企業が年金制度を持ちません。また、あったとしても中止したり、凍結したりする企業が相次いでいます。一般にアメリカの企業には退職金制度もありません。日本では企業年金や退職金があり、年金を補うことで生活していくことができます。しかし、アメリカではこのパターンは存在しないのです。

歴史的な変遷

以前はアメリカ企業でも年金制度が一般的でした。しかし1978年にアメリカ議会は税法にセクション401(k)を追加し、従業員一人ひとりが自分で老後資産を運用する制度ができました。一般に「401(k)」と呼ばれるリタイアメントプランはこの税法のセクション番号のことです。元々は役員などが対象だった401(k)ですが一般社員にも提供されるようになり、広まっていきました。 この401(k)は企業にとっては年金を運用するよりも費用が少なくて済むので、年金を止めて401(k)だけを提供する企業が増えました。企業が年金資金を運用して従業員の老後資金を用意してあげるのではなく、老後資金の貯蓄の責任が個人に移ったのです。企業にとっては運用責任から逃れられ、必要な資金も少なくてすむメリットがあります。ところが個人にとっては資産運用のプロでもないのに自己責任で老後資産を運用しなくてはなりました。好むと好まざるとに関わらず、老後資産の管理責任者になってしまったのです。

自分で積み立てる必要性

企業年金は会社が従業員のために老後資金を積み立ててくれるものでした。企業年金に取って代わった401(k)では従業員自らが自分の給料の一部を積み立てなくてはなりません。勤め先に401(k)などがない場合は自分でIRA(Individual Retirement Accounts)やRoth IRAと呼ばれる制度を使って積み立てます。これらの積み立ては一部のケースを除いて自分でしなければなりません。何もせずにいると老後の資金はまったくなくなってしまいます。老後資金は自分を頼らなければならない時代です。