投資

「投資」などというと、「お金持ちがするもの」とか、「怖い」、「リスクがある」という考えが先に思いつく人が多いかもしれません。しかし、今では「投資」は普通に生活していくためにも必要な ツールになっています。投資を自分や家族の家計計画に組み入れるのは特別なことではなくなっています。

投資とは?

投資である条件

「投資とは何か?」というと、かなり漠然としたイメージしかないのではないでしょうか?人によって違うとは思いますが、ここでは投資を次のように考えたいと思います。

投資は資金を投資先に預け、将来のある時点で投資した資金よりも多くの金額が投資家に戻ってくることを期待するものです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この一番大切なことを忘れると、投資だと思っていたものが単なる浪費になってしまうかもしれません。良くある間違いが(仮にリターンがなくても)「節税になる」というものです。節税というのは納める税金があってのこと。普通は税金は何らかの収入あるいは利益に掛かるわけですから、利益がない(=リターンがない)ところに税金を議論しても意味がないわけです。節税することが悪いわけではありませんが、それが投資の目的になってはならない、ということです。節税は家計全体の中で戦略的に考えてください(詳しくは税金のページを)。

ある投資が適切なものかどうかを判断する時に、「長期的な計画に組み入れ可能である」かどうかを条件の1つにすると良いでしょう。極端な例でいえば「宝くじ」が投資対象であったとします。さて、これは投資と言えるでしょうか?当たればリターンは望めるし、元本の保証はないわけですから、投資と似たような性質を持っていると言えます*1。ところが、宝くじが当たった場合、その当たったお金を宝くじに再投資し、これをずっと繰り返したとします。さて、どうなるでしょうか?宝くじは実際に賞金として還元されるのは必ず元本以下です。つまり、宝くじを繰り返し買えば買うほど、リターンが減っていくことが確実なわけです。そのため、長期に宝くじに「投資」するのはナンセンスです*2。投資は長期にわたって資金を運用した時、リターンがどんどん増えていく状態でなければなりません。

元本の保証がないというのは投資の性質と言うより、貯蓄と区別するための条件と言ったほうが良いかもしれません。元本保証の金融商品が投資でない、という訳ではないのですが、実際に市場にある投資対象は元本の保証があるものはほとんどないですし、元本保証があるものは投資のように思えても、単なる「貯蓄」でしかないわけです。

元本の保証がないということはつまり、投資は単なる貯蓄よりも大きなリターンを期待し、その代りリスクを取る、とも言えます。リスクは通常、リターンが変動する可能性のある範囲で考えます。例えば過去5年間の平均リターンがともに5%だった金融商品AとBを考えます。Aは平均は5%でしたが、1年ごとに見ると-15%の年や+20%の年がありました。金融商品Bは毎年の変動が少なく、最低は4%、最高は7%だったとします。この場合、同じ5年間の平均ではリターンは同じになりますが、商品Aの方が変動幅が大きく、商品Bの方が安定しています。この場合、一般的には商品Aの方がリスクが高い、と考えます。

投資の目的

投資の目的ですって?そんなのお金儲けに決まってるじゃないですか!と思った人はもう少し先まで考えて見てください。お金を儲けて、そのお金でどうするのですか?いくら儲ければいいのですか?お金が増えて、じゃあ、それで何を買いますか?

投資の目的とは、リターンが返ってきたとき、そのお金で何をするか、ということです。例えば5年後に家を買う予定があり、その資金を増やしたいとしましょう。その場合、目的は「住宅資金を確実に増やす」ということになるでしょう。「老後の生活資金を貯めておく」「大学の学費にする」「儲かったお金でバケーションに行く」なども投資の目的になり得るでしょう。目的をはっきりさせれば、それをどうやって運用するかの指針ができます。

投資の目標と計画

投資の目的がはっきりしたら、目標と計画を立てます。投資の目標とは、その目的を達成するためのゴール設定です。住宅資金の例でいえば、「3万ドル貯める」などという具体的な数字が目標になります。また、老後の資金などかなり先の目標である場合、具体的な数字が決めにくければ「毎月$100貯めて、それを平均5%で運用する」というのが目標になるかもしれません。いずれにせよ、目標は、1.目的に合っている事、2.測定可能であること、3.現実的であること、が必要になります。

目標が決まったら、それを軸にして計画を立てます。3万ドルを5年間で貯めることにして、平均5%のリターンで運用した場合、毎月$440を積み立てる事になります*3。さらに細かい計画も立てておきます。例えば平均のリターンが5%を下回ったときはどうするか。どうしても家を買うのであれば3万ドルよりも低い資金で買えるように価格の安い家を探す必要がありますし、どうしても最初の目標で決めた3万ドルを用意してから買いたい場合は、もう少し長い期間、積み立てる必要があるでしょう。また、住宅資金ですから5年間と言うスパンで目減りするような投資では困ります。どの程度のリスクを受け入れるられるか、と言うのも決めておきましょう。

ツールとしての投資

上記のように、投資の目的をはっきりさせ、計画を立てれば、投資が自分たちの生活を豊かにするためのツールであるということがお分かりいただけると思います。投資は車みたいなものです。車は自分たちの行動範囲を広げて生活を豊かにしてくれます(ただし、リスクもあります)。目的地まで歩いていくより、速くそこに到達できる「ツール」です。賢く使って安全運転で行けば旅は楽しく、目的地に着いたときに大いに楽しめるでしょう。逆に交通ルールも知らず、あるいは守らず、無謀に速く行こうとしても危険なだけです。事故がないとは誰も保証できません。だからこそ、気をつけるわけです。投資も同じ事ですので、安全に運転するために、操作方法をしっかり覚え、周りの状況をしっかり把握して、自分の道を誤らない事が大切です。

*1:逆にこの性質だけを見て「投資なんてギャンブルと同じだ」と思う人もいます。
*2:昔、ある自治体の小学校が特別に受け取った予算で宝くじを買い、1億円当たるまで続ける、ということをやりました。もちろん、まったくの無駄な、投資センスのない結果に終わったわけです。
*3:毎月の積み立て(やローン)は複利計算が必要です。財務用の電卓やExcelなどを使ってできるようになりましょう。

投資の種類

投資と言うと普通は株や債券などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?こういった種類の投資は証券会社が扱っていて、宣伝もしているので「証券=投資」というイメージがあるかと思います。しかし、そういった Paper Assets = 証券 だけでは、これからの時代は十分ではありません。Paper Assets を理解し、さらにNon-Paper Assetsをポートフォリオに追加することで、より広範囲に投資したり、自分の得意な分野で効率よく、資金運用ができるでしょう。

証券の種類

まずは Paper Assets の種類を簡単におさらいしましょう。証券には大きく分けて2つの種類があります。1つは株式に代表される、会社などの組織の一部を保有するタイプです。株を買えば、株式に応じた割合でその会社の一部が自分のものになるわけです。もう1つは債券(国債や社債)です。英語ではIOU (I owe youの発音から)と言うこともありますが、その意味の通り、誰かにお金を貸してその人が Owe(返済義務を負う)ことにより、運用益を得る仕組みです。

証券を発行することは発行元の組織(政府や企業)にとって資金調達の手段です。組織を運営していくために必要なお金を一般の人から集める手段なのです。資金調達の手段であると言うことは Paper Assetsがもつ大きな特徴です。

株式

株は会社が資金を集めるために発行する証券で、株を買った人は株主になります。株主は会社の一部を所有しており、会社の経営に参加することができます。株式総会などで株数に応じて投票権があり、また配当金も株数に応じて分配されます。日本ではその他にも株主優待券などが発行される場合があります*1

会社の経営にもかかわる株ですが、一般の人はそこまで考えることはなく、株価の値上がりと配当金を期待する、と言うことになるでしょう。しかし、株が会社の所有権の一部であって、株式会社が有限責任を実現するための方法であることは意識したほうがいいでしょう。株主は会社の経営を経営陣に任せ、もし会社がうまく行かなくなっても自分の投資した額しか損はしない=有限責任である、と言うことです*2。有限責任は純粋な投資をするためにはありがたいことですが、もし倒産や解散など会社を清算するときには、優先順位が最低に位置づけられます。従業員や債権者がお金を回収した後でないと自分が投資したお金は戻ってこないということです。普通は倒産したら債務のほうが多くなるので、株主にはお金は戻ってこないでしょう。

株はそういった会社経営のリスクを負う代わりに、会社が成功したときは配当金を受け取ることでリターンを得ます。また、会社が成功すると言うことは株価も高くなりますから、株を売ることでAppreciation(値上がり益)を得ることもできます。配当金も株価の値上がりも会社の成功次第であらかじめ決まっていないことも特徴です。成功次第では何倍にもなる場合があるわけです。

債券

IOUとも呼ばれる債券はBond、Notesなどいくつかの形態(と呼び方)があります。いずれの場合も、国や企業などがお金を借り、一定期間ごとに中間利息を払い(短期の場合は中間利息はない)、償還期限(Maturity Date)になったら、借りたお金を全部返す、というものです。債券発行の際に償還期限や利率は決まり、企業などの成功の度合いに応じて変わる、と言うことはありません*3

企業が発行する社債の場合は、会社を清算するときの順位は株式よりも上です。会社を清算するようなことになれば元本すべてが返ってこないことも多いでしょうが、それでも株よりは回収できる可能性は高くなります。

債券の特徴としては、発行したときに買い償還まで保有するのなら、購入時点で将来の受取額が決まる、と言うことです。あるいは発行済みの債券を買う場合でも、償還まで保有していれば受取額は固定です。逆に購入後、市場で売却する場合はその時の時価で売ることになります。

債券の値段はその発行元の信用度合いと、市中金利で決まります。企業が発行元の場合、その企業が成功しているかどうかは直接債券価格に反映されません*4。その時の金利が債券価格に大きく左右されるので、株式とは違う原理で値段が上下します。また、国が発行する債券は信用度が高いとされていて、一般にリスクフリーと考えます*5

Mutual Fund

Mutual Fund は日本語では投資信託と呼ばれ、投資家から資金を集めて1つのFund(=基金)を作り、それを運用し、運用益を投資家に分配する、と言うものです。運用先は株式や債券が主で、間接的に証券に投資していることになります。Mutual Fundは個人では資金が少ない場合でも、たくさんの人(や組織)からお金を集めることで効率よく投資することができるようになります。

Mutual Fundは間接的に証券に投資していることになるので、その特徴やリスクは証券そのものと似ています(詳しくは後述)。名前が違っても Paper Assets であることに変わりありません。

Non-paper Assets

投資は証券以外にもさまざまな種類があります。ところが証券でない投資はあまり注目されません。特にアメリカと比べると日本人はそういう傾向があると思われます。「リスクが大きい」「管理が面倒である」「よく分からない」といった理由で証券以外の投資は敬遠されがちです。しかし、ポートフォリオの中にこういった投資を組み合わせることで、リスクを分散し、また将来のリターンを大きくする可能性のある投資ができるようになります。

アメリカで証券以外の投資が活発なのは、経済基盤の違いによると思われます。例えば不動産で言えば、全体の80%が中古であり、また、個人で他の人に貸すことも一般的に行われています。また、自営業を営んでいて、その事業をそのものを売買することも日本よりも活発に行われています。投資とはResource(何らかの原資、お金とは限らない)を運用し、それを膨らませ、大きくなった分を利益として回収する、という経済行動です。このResourceやそれを膨らませる手段がが証券だけではないことを理解すれば、自分にフィットした運用先が見つかるかもしれません。

不動産投資

アメリカでNon-Paper Assetsで一般的なのはなんと言っても不動産でしょう。自分で買った家を買い換えるとき、前の家を売ってしまわずに人に貸して利益を得る、ということは多くのアメリカ人が比較的簡単にできる不動産投資として注目しています。また、最初から投資目的で不動産を購入することも一般的です。そういった目的のためにローンを組むことも日本に比べれば容易ですし、不動産管理のノウハウを持った管理会社に日々のメンテナンスを任せることもできます。

不動産投資の特徴は、Paper Assets と違い、利益を得る方法が多岐にわたる、と言うことが挙げられます。例えば株の場合は配当金と値上がり益が利益を得る方法ですが、不動産の場合、家賃収入、値上がり益、節税効果、担保としての運用などで直接、または間接的に利益を得ることができます。また、不動産は証券と違い、資金調達の手段で発行するものではありません。住宅を建てたり商業ビルを建てるのは、人が住み、商業を営む、という直接目的のためですから、投資した資金の実態がはっきり見えます。

もうひとつの大きな特徴は、不動産の値段は固定されていない、と言うことです。証券の場合、同じ株ならどの株券でも同じ値段です。株券が違ってもその価値は他の株券と変わりません。ところが、不動産の場合は一軒一軒、その価値が違います。隣の家であっても、間取りや管理状態によって大きく値段が違うこともあります。また、値段はあって無いようなもので、交渉次第で変わります。株を証券会社と交渉して安く買う、ということはできませんが、不動産は交渉しないで買うことはあり得ないのです。

Small Business

SmallでなくてもBig Businessでも構わないのですが、アメリカでは投資対象としてBusiness(企業、自営業、営業権など)を捉える事があります。投資として大きな会社が新興企業を買うのは新聞にも載りますし、個人が投資として、例えばレストランを買う、ということもあります。ここでSmall Businessとして考えるのは、一般の人が莫大な資金がなくても投資可能であるからです。

レストラン、クリーニング屋、配管工など、地元に密着した商売をしている人から、丸ごとその商売を買うことは、Paper Assetsではできないタイプの投資になります。投資家として経営は他の人に任せることもできれば、積極的に日々の活動に関わることもできます。リターンとして考えられるのは金銭的なものから、顧客ベース、地元での信頼/信用、人とのつながりなど、お金で買えないものまで含まれます。

なぜNon-paper Assetsに投資するのか

人によって理由はさまざまだと思いますが、Non-paper Assetsに投資することにより、Paper Assetsでは得られないものが得られるのは確かです。金銭的に言えば、Paper Assetsよりも高いリターンを望める場合もあるでしょう。また、例えば今年2002年のように、株式市場が苦しんでいるときでも、不動産価格は地域により値上がりしています。つまり、違うタイプの Asset Class に投資することで、1つの市場では得られない利益を得ることができるのです。不動産やSmall Businessなどは株と違い、資産の価値を自分で高めることもできます。住宅なら改築/増築してより価値のある家にしたり、レストランならおいしいメニューを提供することで多くのお客さんが来てくれる様になります。自分で投資先の価値を高められるのは、Non-paper Assetの大きな特徴でしょう。

もう1つ、Non-paper Assets の魅力として私が考えているのは、小さな投資であっても、それがビジネスとしてのすべての要素を含んでいることがあげられます。例えば人に貸すことを前提にローンを組んで家を買ったとしましょう。すると会社経営を行うのと同じような要素を勉強できます。毎月の出納管理、借入額の返済、税金、保険、テナント募集(どんなビジネスでもお客さんあってこそ)、リース契約、利益の計算、突発事項への対処などなど。こういったことを通して、Cash Flow、Balance Sheet、Marketing などビジネスのさまざまな要素を勉強できます。これらの本質を理解すればさらに大きな投資でも自信を持って進められるようになるでしょう。

自分への投資

私は自分自身に対する投資も忘れてはならないと思ってます。私はソフトウェアエンジニア(これが本職)として、プロフェッショナルとして仕事をしていくうえで、新しい技術を身につけたり、違った視点を持つために、時間とお金を投資しています。これは収入を上げるためでもあり、自分が納得できる仕事をしたい、と言う自己満足のためでもあります。そして、投資や資産運用そのものを勉強すると言う投資もあります。

いずれも、時間とお金をかけて投資することで、自分から生まれる価値が、将来大きくなって返ってくると思っています。

*1:株主に対するこういった現物支給はアメリカでは一般的でないと思います。
*2:逆に無限責任とは、会社がうまく行かなくなって借金が増えたら個人の資産を使ってでも返さなくてはならないことになります。
*3:転換社債など、株への転換が可能なものもあるので、あくまでも普通の債券の場合は、ということです。
*4:その企業の信用度合いとして間接的に影響することはあります。
*5:アメリカでも日本でも信じられないくらいの借金があるわけで、これをリスクフリーと呼ぶかどうかは議論がありますが。。。

Mutual Fundの概要

アメリカでは日本よりも投資環境が進んでいます。理由は

アメリカが普通の人でも投資をしやすいのは、1)小額で始められる、2)情報が豊富に得られる、3)投資商品が豊富で歴史がある、などの理由です。日本でも規制緩和が進んでいますが、今でも株を1株単位で買うのは難しく、ミニ株で100株、普通の株は1000株ではないでしょうか? *1さらにアメリカではMutual Fund(投資信託)の種類が豊富で、しかも手数料が日本で普及しているものよりも低くなっています。このMutual Fundはこれから投資をやってみよう、という人が始めやすい投資対象です。

Diversifyとは?

投資にはリスクがつきものです。ところが、1つの投資先だけではリスクがあるが、複数の投資先に分散して投資すれば(統計的には)リスクを減らせることが分かっています。Diversify(分散投資
*2
)とは複数の投資先に資金を分散して、リスクを減らすことです。例えば100社の株に投資していた場合、
1社くらい倒産しても、投資額すべてが消えてしまうことはありません。また、100社がそれぞれ違う値動きをすれば、数社の株が下がっても、
他の株が上がれば全体としてみればなだらかな値動きになります。
Index(例えばDaw Jones や S&P500など)は、何社もの株価の値動きを平均したものと言えますが、1つの株を見るのでなく、市場全体で考えるのが Diversify と言えるでしょう。

Mutual Fund とは?

Diversifyでリスクを減らせると分かったので、それでは実際に投資するときにはどうしたら良いでしょう?100社(あるいは500社でも1000社でも)の株を自分で買うのも方法ですが、手数料や手間隙を考えたら大変ですよね。

そういった手間を省いてくれるのがMutual Fundです。Mutual Fund というのは、さまざまな投資対象を証券会社などが1つのパッケージとしてまとめて販売するものです。例えば、100社の株に投資したいと思っても、個人ではなかなかできません。それなりの資金も必要ですし、何百社もの財務状況を評価して目的に合う100社を選ぶとなると至難の業です!Mutual Fund では Fund Managerがそういった仕事を引き受け、Fundの目標に合致する投資先を見つけ、資金を集めて投資します。多数の人(や組織)がまとめて投資するので売買手数料が(相対的に)節約できます。Fundの種類にもよりますが、こういった手数料すべてを合わせても投資額の1%以下のMutual Fundが多数存在します。このように、自分で個々に株を買うと大変なところを、まとめてやってくれて、しかもDiversifyができるのがMutual Fundです。

Mutual Fundはさまざまな人からお金を集めて、そのお金で投資対象を買います。投資対象はさまざまな為、Fund全体をShare(口数)に分けて販売します。Fund全体の資金を口数で割ったものがそのFundのPrice(1口当たりの値段。基準価格)になります。Fundは株などに投資するので、その株価が動けばFundのPriceも当然動くことになります。普通、Mutual Fundの取引は、その日の株取引が終わったときの価格で行われます。

Mutual Fundの種類

Mutual Fund には大きく分けて次の3種類があります。

また、上記の3種類を組み合わせたFund(TotalとかBalanced Fundとか呼ばれる)があります。

Money Market Fund

Money Market Fundは短期で安全な投資対象に絞ったFundです。企業や銀行などの間で発行される債券などに投資しています。特徴としてはFundの1口当たりの価格が常に$1に保たれることでしょう。この特徴のため、ほとんどSavings Account と同じような感覚で使うことができます。Money Market Fundの利益はDividend(配当金)という形で毎月、自分の口座に振り込まれます(これもSavings と同じ感覚)。良いMoney Market Fundを選べば、普通の銀行のCD並みの利率になります。実際、CDが投資対象になっている場合もあります。CDと違うのは、預入れ期間が決まっておらず、いつでも預け入れ/引出しが自由です。また、利率は毎日変動しますから、非常に高い利率のCDがあれば、特定の期間に限ればCDの方が有利になる場合もあるでしょう。私はSavingsの代わりとしてMoney Market Fundを捉えています。地元の銀行に預けておきたい額(いつでも引き出せるようにするため)を超えた分はすべてMoney Market Fundに預けています。多くのMoney Market FundはCheck Writing (小切手)、Wire Transfer(電信送金) 、Direct Deposit (雇用主からの給与の自動振込み)など、便利な機能があります。

Stock Fund

Stock Fund はその名の通り、株式に投資するFundです。株式と言ってもさまざまなタイプに分けられ、それに応じてStock Fund もいくつかのタイプに分けられます。Index Fund はその名の通りS&P500などのIndexと同じ株に投資するFundです。Indexとまったく同じ値動きなので、分かりやすいFundと言えるでしょう。
Value Fund はある程度安定した企業に投資し、Dividends(配当金)が利益の中心になるFundです。Dividendsは税法上、Ordinary Income Tax が掛かります。それとは逆に株価そのものの上昇を主に狙うGrowth Fund というのがあります。ハイテク株などはこの部類で、配当金は出さないけど、株価が上がるから儲かる、という仕組みです。Growth Fund は2000年まではいい成績が多かったのですが、それ以降はひどいことになっているFundが多いですね。いずれのFundでも、Capital Gains はOridnalry Income Taxではなく、Capital Gainとして課税されます。

その他に Industry Specific Fund(特定業界に投資する)やInternational Fund(外国株)、Aggressive Fundなどのタイプがあります。Mutual Fund の目的は、複数の業界に一度に投資してリスクを減らすためですから、特定の目的があるとき以外はこの手のFundはあまり選択肢になりません。

Bond Fund

債券に投資するFundを総称してBond Fund と言います。Treasury(国債)、Municipal(地方債)、Corporate(社債) Fund など投資するBondの種類で分かれている他、Index Fund、State Bond Fund(特定の州のBondのみに投資する)などがあります。Bondはまた、短期、中期、長期に分けられ、同じTreasury Bond Fund でも、どのくらいの期間の国債に投資するかが分かれます(一般に長期になるほど投機性が高くなる)。Bond Fundの特徴はTax Free(非課税)のFundがあることでしょう。Bondの種類によりFederal Tax(連邦税)が掛からないものと、FederaとState Tax(州税)の両方とも非課税になるものがあります。State Tax Exempt(州税が非課税)になるには、自分の住んでいる州のBondである必要があるので、このタイプの Bond Fund は州別になっています
*3
。気を付けなければいけないのは、非課税だからと言って得になるとは限らないことです。非課税のBondはそれだけ魅力があるわけですから、価格は高く(利回りが低く)なります。例えば課税されるタイプのBondが5%の利回りで、非課税のBondが4%だった場合、自分の所得税率が15%の人は課税されても5%のBondの方が得になります*4。ですから、自分の税率で実質利回り(税引き後利回り)を計算して比べる必要があります。

その他のFund

その他のタイプのFundとしてはPrecious Metal(貴金属)、 Social Fund(環境にやさしい企業だけに投資する?)、REIT(不動産)などがあります。さらにStock、Bond、Money Marketを1つにしたFund(Balanced Fund、Total Fundなどと呼ばれる)もあります。これはMutual Fundに投資するMutual Fundで、例えばStock Fundを5割、Bond Fundを3割、Money Market Fundを2割と言うように違うタイプのFundを混ぜています。

Mutual Fundは安全か?

Diversifyとリスク分散

Mutual Fundに投資する理由は、1.株など投資を良く知らないので、専門家に任せたい、2.Diversifyするのに自分では大変だからまとめてやってもらえる、3.401kなどのTax Shelter(税金対策)、などになります。特にDiversifyという目的は大切で、例えば「ハイテク業界ファンド」などはまったくリスク分散になりません。複数のまったく違う業界の株に投資するからリスク分散になるのであって、特定業界に投資するFundはこれと逆になってしまいます。ただし、はっきりとした目的があるときは特定のFundも意味があるでしょう。例えばアメリカのFundだけでは心配なので、リスク分散の意味で海外に投資しているFund(International Fund、Emerging Fundなど)を持っておきたい場合などです。ただし、海外への投資は株価だけでなくCountry Rick(国自体のリスク)やExchange Rate Risk(為替リスク)などが伴います。 Diversifyすると言う事はリスクを分散して、少しでも安全に運用する一つの方法です。

元本保証

Mutual Fundは元本の保証はありません。もし、株価が急降下してしまえば、Mutual Fundの価格も一気に下がります。実際、2000年以降2003年頃まで、株式市場全体の下落傾向が続き、多くのMutual Fundが値下がりしました。せっかくDiversifyしても、1つの業界でなくほとんどの業界が値下がりする場面では、まったく歯が立たないわけです。ただし、2001年あたりは株価はBond Fundはかなり良い利回りでしたから、Stock Fundだけでなく、Bond Fundも組み合わせれば、Diversifyの範囲は広がります(それでも、同時安になってしまえばダメですが)。そういった意味で投資家としての自己責任が要求されることを留意する必要があるでしょう。

このページの参考図書

Mutual Funds for Dummies  著者:Eric Tyson

Investing for Dummies, Third Edition  著者:Eric Tyson

*1:日本でも端株として取引単位以下で売買されることがあるようですが、配当金の再投資をした場合などに限られるようです。
*2:これは私が勝手につけた意訳です。diversifyという単語そのものは動詞ですのでご注意を!
*3:
すべての州にTax Exempt Bond があるとは限らないようです。
*4:5%x(1-0.15)=4.25%が実質利回り。

Mutual Fund の選び方

Money Market Fund

Mutual Fundで資産運用を始める場合、まずはMoney Market Fundに一旦資金を入れるのが便利でしょう。Money Market Fundは銀行の Saving と同じような感覚で預け入れ、引出しが自由です。元本保証は無いものの、普通の銀行より1~2%くらい利率が高く、余剰資金を入れておくのに適しています。Money Market Fund Accountを開けば、そこから他のFundへの資金移動が簡単になるので、次のFundへのステップと考えれば良いでしょう。

選び方のポイント

Money Market Fundを選ぶに当たって一番気になるのはやはり利率です。Money Market Fundは短期の債券と言う狭い範囲でしか投資しませんから、どんなにがんばっても、Fund毎にそれほど利回りに差がつくわけではありません。ではどこで利回りに差が付くかというと、すばり Expense Ratio です。Expense Ratio とは運用資金の何%が経費としてFund会社(あるいはFund Manager)に支払われるか、ということです。このExpense Ratio が低ければ低いほど、投資家への支払い分が多く残るわけです。そこで、Money Market Fundを見るときは、Expense Ratioをまず確認してください。このExpense Ratio を見るだけで、0.5%くらいの差があることが分かるでしょう。

次に考える事は、Tax Exempt(非課税)かTaxable(課税)かの違いです。州のMunicipal Bonds(地方債)に投資しているFundはTax Exemptになります(自分が住んでる州のFundの場合)。税金がかからない分、利回りは低いので、Taxableと比べるときは自分の税率を考えて、税引き後の実質利回りで比べます。注意点としてはTax Exempt Fund(Tax-Advantagedなどとも呼ばれる)といっても、課税される場合があることです。Fundは色々な投資対象に投資するので、全てが非課税の投資先で無い場合もあります。普通は自分のTax Bracket が高い場合に Tax Exempt を選ぶと有利になります。

利回りが良いFund見つかったとしても、Initial Minimum Investment(最低初期投資額)に見合う現金が無いと投資できません。どの投資会社も、大口の顧客には利回りが良いFundを別に用意していて、全く同じ名前のFundでも利回りが良くなっています。$100,000以上投資する余裕のある人はこういったFundを探して見るといいかもしれません*1。また、Fund会社によってInitial Minimum Investment の額は違いますし、同じ会社でもFundの種類によって違う場合もあります。利回りがいいものはそれなりの初期投資が必要なものもありますので、確認しましょう。また、口座を開いた後、最低いくら、口座に保持しなければいけないかという額(Minimum BalanceとかLow Balanceなどと言う)も確認しましょう。その額を下回ると口座維持費を取られます。

便利な機能は必要?

Money Market Fundには銀行のCheckingと同じような感覚で小切手が切れるようになってたり、電信扱いで送金できたり、場合によってはATMカードまで発行してくれる場合があります。これらの機能は便利な反面、気楽にお金を引き出しやすい、という要素でもあります。Money Market Fundにお金を移すのは運用するためであって使うためではありません。ですから、「お金を使うのに便利な機能」は無いほうがいい位です。入金しやすく出しにくい、だけど非常時には出せない事はない、というぐらいが理想ではないでしょうか。私の場合は、具体的には、小切手は最低額が高いもの(例えば$250以上の金額で無いと小切手が切れない)、送金は不要、ATMカードも不要、ただし入金しやすいように、電信の入金は受け付けるものを選びました。さらに選択すれば毎月の自動積み立てもできるといいでしょう。

Stock Fund

なぜStock Fundに投資するのか

Stock Fundに投資する理由はなんでしょう?いつでも現金化できる投資であれば、Money Marketが向いてますし、できるだけ元本割れのリスクを減らしたいなら、国債が良いでしょう。株、もしくはStock Fundに敢えて投資する理由は、リスクを取ってもいいから、ハイリターンを狙うため、ということになります。Stock Fundは Mutual Fundとはいえ、Money MarketやBond Fund*2に比べれば、価格の動きは激しく、一旦損をしたら元本を取り戻すのに何年も掛かるかもしれません*3。長期的に見ればアメリカの株価は常に右肩上がり、しかもインフレ率を越えています。しかし、このトレンドが今後も続く保証は全くありません。日本を見てみれば、いくらMutual Fundで株式全体に投資しても、ダメなものはダメ、という状況もあります。

しかし、それでも私はポートフォリオの中にStock Fund(もしくは株式)を組み入れるべき、と考えています。その理由は2つあります。1つは、Dollar Cost Averaging(ドルコスト平均法)などの手法を使って、短期的なトレンドを平均化し、長期的なトレンドを味方につけることができるからです。短期的に見れば損をすることがあっても、コツコツ、長期的に続ける事で、株式市場の値上がりの恩恵を受ける事ができます。もう1つの理由は、株式市場に投資しないリスクもある、ということです。投資しなければ「機会損失」のリスクがある、と考えるわけです。何十年かのスパンで考えて、「株式に投資しておけば良かった。今ごろ$xxxくらいになってたはずなのに」なんて思いたくないですよね。

長期投資としての Stock Fund

それでは具体的にどのStock Fundを選んだらいいでしょうか?もしStock Fundに投資したことがなければ、次のような特徴のFundを選ぶといいでしょう。

詳しくは下記のNo Load Fundで述べますが、必ずNo Load Fund(販売報酬を払わなくて良い)にしましょう。Load はFundを買ったとき(Front-End)、売るとき(Back-End)、あるいは保有期間中(12b-1)に取られるタイプがありますが、いずれの場合も利回りがその分悪くなります。No Load Fund ならこれらの費用がかかりません。

Expense Ratio、つまりFundを管理するための費用が少ないFundがいいのは自明ですね。経費は利回りから自動的に引かれます。この費用が少なければ少ないほど、自分の取り分が多くなります。Expense Ratio はどんなに高いものでも1%まで、できれば0.60%以下のFundがいいでしょう。

1つのFundを買っただけで何百社もの株を持っているのと同じ事になるのがMutual Fundです。保有数が多いほうが、Diversificationの効果は大きくなります。ですから、保有している株数が最低でも数百はあるFundにしましょう。S&P 500を指標とするFundなら500社の株を、Wilshire 5000なら3000社以上の株*4を買ったのと同じ事になります。個別株を買うのと比べたら、Diversifyを実現するのにこんなに楽な方法はありません。保有している株数が少ないとリスクを分散する事ができません。

Turnover Rateが低いFundを選ぶ目的は税金の抑制効果です。株を売ると、Capital Gain/Lossが発生します。Gainが発生した場合には、それに対して税金(Capital Gain Tax)が掛かります。このCapital Gain TaxはMutual Fundそのものを売らなかったとしても、Fundが持っている株を売ってGainが発生した場合に、個人が支払わなければなりません。自分では長期で投資しているつもりでも、Fundが頻繁に株を売り買いしていれば、それは短期的に違う株に次から次へと乗り換えるのと同じ事になります*5。1年間でFundの保有株をどのくらい入れ替えたかをTurnover Rate(回転率)で表します*6。Turnover Rateが低い、つまり株の入れ替えが少ないければ、税金を払う必要が少なく、長期的に再投資をした際の複利効果が高くなるなります。

Bond Fund

Stock Fundに投資する目的は長期的に投資してハイリターンを狙う、と言うものでした。では、Bond Fundに投資する目的はどういったものでしょうか?Bond Fund は比較的リスクが少なく、長期債/短期債をうまく選ぶことで、段階的にリスク/リターンの割合を調整できます。非課税のFundもあり、連邦税(所得税)や州税の課税率に応じて節税目的で使うこともできます。つまり、Bond FundはStock Fundでは実現しにくい、資金計画の調整役と言えます。

Bond Fund の種類

Bond Fund は投資するBondの種類でそのままグループ分けされます。次のような特徴でグループ分けされます。

Issuer(債券発行元)

Issuerは主に国(Federal, Treasuryなどの名前がつくFund)、地方自治体(Municipalや州の名前がつく)、および企業(Corpration)に分かれます。国が発行する国債は一般に最もリスクが少ないBondとされ、利回りもその分低くなっています*7。T-Bill, Note, Bond に投資します。利回りの一部は州税が非課税になる場合もあります。Municipal Bondは地方債で、州やCounty(郡)が発行します。通常、自分が住んでいる州のBondは連邦税、州税ともに非課税になるので、州ごとにFundが分かれています。例えばマサチューセッツ州の地方債に投資するFundはMA Tax-Exempt Bond Fundなどという名前になります。自分が住んでいる州のFundであれば、非課税になります。Corporate Fund は企業が発行する債券に投資します。

この他に上記のIssuersを組み合わせたIndex Fundもあります。また、Corporate Fundという名前でも100%、企業債に投資するわけではなく、Treasuryにも投資している場合があります。その他のIssuerとしてFederal Agency(Treasuryでない債券)やGovernment National Mortgage Association (GNMA)の発行する債券に投資するFundもあります。

発行元によって、それぞれのFundの特徴が決まります。国債であれば、安全(と言われている)な運用を、地方債は非課税が魅力、企業債は格付け(Grading, Bond Rating)によって安全なものから、リスクがあるがハイリターンを期待するFund (High Yield = Junk Bond)まであります。

Term (期間)

Bond Fundは投資する債券の償還期限によってShort-Term(短期)、Intermediate(中期)、Long-Term(長期)に分かれます。短期であればBond自体の価格の上下が少なく、利回りは少ないですが、元本割れリスクも少なくなります。長期になればなるほど、そのときの市場動向次第でBond自体の価格が大きく上下し、Bond Fundの価格もそれに合わせて上下します*8

期間とリスク/利回りの関係
Short-TermIntermediateLong-Term
リスク
利回り



Bond自体の価格は金利が下がると上がり、金利が上がると下がります。金利と逆の値動きをするわけです。そういったBondに投資しているBond Fundも同様な値動きになります。短期間であればBondが発行された時点の金利と、現在の金利の格差が少なく、値動きは小さくなります。ですから、短期のBondはリスクが少ないのです。逆に長期のBondであれば、金利が将来にわたって上下するリスクがあり、それにつれてBond価格も上下します。その分、リスクが増えるわけです。

Grading(格付け)

Bondは格付け機関(有名なのはMoody's Investors Service など)で格付けされています。この格付けはその債券の利息がきちんと支払われるかだけでなく、元本は戻ってくるか、という信用度をあらわします。Bond(やBond Fund)を見るときはついついその「利回り= Return on Investment」に気を取られますが、Default(債務不履行)になって損をしないように「元本そのものが返ってくる= Return of Investment」も重要です。元本が返ってこなければ利回りを気にしても仕方ありません。普通はStockよりもある程度、安心して投資できる(かも知れない)という期待の元にBondやBond Fundを選ぶ場合が多いと思いますので、ここで元本割れリスクのある、格付けの低いBondに投資する際は注意が必要です。

Bond Fund のほとんどは、格付けが上位の優良債券に投資しています。しかし、Fundの中には、ハイリターンを狙って格付けがそれほど良くないBondに積極的に投資するものもあります。大抵はFundの名前に「High Yield」などのハイリターンを狙っていることを示す言葉がついています。High Yield と言えば聞こえは良いですが、Junk Bond とも呼ばれる格付けの低いBondに投資するFundですから注意が必要です。自分がどんなFundにどのような目的で投資しているか、しっかり確認してください。Fundがどういった格付けのBondに投資しているかはProspectus(目論見書)やウェブサイトで確認できます。

その他のFund

上記の3種類以外に特定市場に投資するタイプのFundがあります。ごく狭い範囲の市場や、特定の業種に限って投資しますから、そのFundだけを見ればMutual Fundが得意とするところのDiversifyから外れてしまいます。しかし、StockやBond Fundでは投資できない業種をカバーできるので、他のFundと合わせて持つことで、ポートフォリオ全体としてDiversifyを実現するためには役に立ちます。そういったFundをご紹介しましょう。

不動産関連

不動産に関連するFundにはREIT FundやGNMA Fundがあります。Real Estate Investment Trusts = REIT(リートと発音)は、アパート、貸しオフィス、ショッピングモールなど賃貸物件を保有し、そこから家賃収入、リース収入、キャピタルゲインなどで利益を得ます。REIT Fund はいくつものREITを保有しDiversifyを実現します。REIT Fund は不動産自体を保有する手続き上の煩わしさがまったくなく、最も簡単に不動産に投資する方法です。

REIT Fund は不動産へ投資しますから、その値動きは、株式やBond市場と違う動きになります。近年*9の株やBond市場の低迷とは対照的にREIT Fund は不動産市場の活況を反映して高いリターンを実現しています。Diversifyするために株やBondと合わせるといいでしょう。

GNMA Fund や Home Finance Fundなどは広義には債券への投資と考えられます。例えばGovernment National Mortgage Association = GNMA (Ginnie Mae = ジニィメイと発音)は政府系の住宅ローンへの投資です。ローンの発行元はお金を貸したあと、すぐにお金を回収するためにローンそのものを債券化して売りに出します。こういった債券化されたローンに投資するFundも融資先が不動産ですので、StockやBondと違う値動きになります。GNMAなどの機関から個人が債券を買うにはまとまったお金(最低3万ドル)が必要ですが、Mutual Fundとしてなら小額から投資することが可能です。

貴金属

Precious Metals、つまり金、銀、プラチナ、ダイアモンドなどに関連するFundです。貴金属市場はその需要と供給で値段が大きく変動し、投機的な要素が強いのが特徴です。金だけに限っていえば10年前後値段が下がりつづけた後、最近になって高騰し、これらに投資するFundも大きく値段を上げています。他の市場との連動性がないのでDiversifyはできますが、そのVolatility(上下動の激しさ)のため、予測することも難しく、堅実な投資には向いていないでしょう。

貴金属のMutual Fund は貴金属そのものに投資するだけでなく、関連する企業に広く投資します。企業の株式を購入しますから、Stock Fund の特性も部分的にもっています。そのため、Turnover Ratio などStock Fund と同じ指標に注意する必要があります。

Fund会社の選び方

もしすでに証券会社に口座があるなら、Mutual Fundもその証券会社から買えます。自社のFundだけでなく、大抵の証券会社は他の会社のFundも買えるようになっています。またFundの運営会社から直接買う方法もあります。大手のFund会社は証券会社でもあり、株や債券の売買もできますから、(必要があれば)その会社だけでPaper Assetsへの投資が全てできます。これからFund会社を選ぶなら、次の基準で選ぶと良いでしょう。

No Load Fund

Mutual Fund にはLoad FundとNo Load Fundがあります。Load(=Commission)は日本では「販売報酬」などと言われ、そのFundを売ったセールスパーソンへのご褒美です。LoadはFundに投資した額からすぐに引かれるもの(Front-End Load)、引き出すときに引かれるもの(Back-End Load)、運用中に引かれていくもの(12b-1 Fee)があります。これらのLoadのいずれも、運用成績(=利回り)とは全く関係なく取られていきます。「Financial Advisor」などの肩書きを持つ人がその人の投資目標などに合わせてアドバイスを提供し、最適なFundを選んでくれる、という建前です。そのアドバイス料がLoadと言うわけです。

No Load FundはLoadを全く取りません。購入するときもお金を引き出すときもLoad、つまり売ったセールスパーソンへの報酬はありません。その代わりNo Load FundはLoad Fundのようなアドバイス(実際にはセールストークですが)をする人はいません。自分でFund会社のWebサイトや雑誌などからどのFundが良いか調べて、自分で選びます。自分で選んで自分で買うので、販売報酬は必要ないのです。

No Load Fundの中にはFundに不利になるような売買をできるだけさせないために、条件を満たしていないときは手数料を取るものがあります。これらの手数料は運営経費をまかなうためのものです。よくある例は投資を始めてから一定期間(半年~5年間)経たずに引き出す場合は手数料を取る場合です。長期で運用するならこういった手数料があるFundを選ぶのも良いでしょう。Fundに不利になる売買をする人が減るので自分の利回りが良くなります。また、短期で引き出す可能性があるならこういった手数料のないものを選ぶと良いでしょう。

それではアドバイスを受けてLoad Fundを買うのと、自分で調べてNo Load Fundを買うのと、どちらが良いでしょう?答えはずばり No Load Fund です。Load Fund を買う意味は全くありません。理由はいくつかあります。Loadを取るか取らないか、というのはMutual Fundの運用利回りと全く関係ありません。Loadを払ったからと言って将来の利回りがよくなることはないのです。またLoadを取るFundの場合、売る側の原理でアドバイスをするので、自分たちに本当に最適なFundを選んでくれるとは限りません(利害の衝突 = Conflict of interest)。相手はあくまで「セールス」で売っているので、いくら購入する人の将来にとって良いものであっても手数料が入らないFundを売るようなことはしません。さらに、これからの時代は、こういったアドバイスが必要であってはいけません。自分の判断で人に頼らずに金融商品を選べるようになる必要があります。そのため、Mutual Fundの基本程度は理解していないと損をしてしまうのです。

大手のMutual Fundを選ぶ

Mutual Fund は多くの人からお金を集めてまとめて投資する事によって経費を低く抑え、効率的な運用ができます。このため、Fundのサイズが大きくないとその効果がなかなか出ません。FundのサイズはNet Asset(時価総額)で表されます。$100 Million以上のFundなら理想的でしょう。

Fundに投資する際は、1つのBalanced Fund(株と債券を合わせたFund)か、いくつかのFundを組み合わせてAsset Allcationを実現します。また、節税のために自分の住んでいる州の Municipal Bonds に投資するFundがあると便利な場合もあるでしょう。株式はIndex Fund一つで足りるとしても、ある程度は柔軟に自分のポートフォリオを組めると何かと便利です。つまり、それなりのFundのバラエティがある会社がいいでしょう。

上記の条件を満たす会社であり、またFund毎の注意点(Expense RatioやTurnoverなど)を満たすFundとなると、必然的に大手のMutual Fund会社になります。大手のMutual Fund会社は自社のFundだけでなく、他の会社のFund、個別株、債券も扱っています(必ずしも必要ないですが)。また、オンライン取引、自動積み立てなどのサービスも充実しています。

いくつかの大手Mutual Fund会社へのリンクを示します。これらの会社以外でもよい会社はあると思いますので、自分でそれなりにリサーチ/比較して見てください。

このページの参考図書

Mutual Funds for Dummies  著者:Eric Tyson

Investing for Dummies, Third Edition  著者:Eric Tyson

The Informed Investor: A Hype-Free Guide to Constructing a Sound Financial Portfolio  著者:Frank Armstrong III

*1:運用利回りではなく、経費率を低くして実質利回りを上げているようです。
*2:正確にはBond Fund と Bond そのもののリスクは違います。Bond Fundを参照。
*3:2008年の下落率などを考えると、ピーク時点に戻るには相当時間が掛かると思われます。
*4:Wilshire 5000は約7000社の株の指標ですが、Fundは下位の株は買いません。詳しい説明は次のページでします。
*5:特に短期の売り買いは税率が高い Short-Term Capital Gainが発生し、払わなければいけない税金が多くなります。
*6:Portfolio Turnoverなどと表現される事もあります。
*7:あれだけ借金がある組織の債券を安全と言うには問題がある、と言う人もいます。
*8:Bond FundがBondそのものと違う点は、Default(債務不履行)がなくても元本割れリスクが発生することです。
*9:この部分の執筆は2002年

Index Fund

長期投資としてのStock Fundでは、Stock Fund を選ぶ際にチェックするべき特徴を述べました。Index Fundはそれらの特徴を持っている、Fundです。そこでIndex Fundの詳細と、Index Fund を長期投資の中軸にするための計画について考えていきましょう。

Index Fundの仕組み

Indexとは?

インデックスとは、簡単言えばいくつもの株の平均価格です。例えばDowなら30社の株価をすべて足し、30で割ればインデックスになります。実際にはいろいろと調整しますので、この方法では今のDow平均株価とは同じ値になりません。初めてCharles Dow がこのインデックスを計算した当時は12社の株価の単なる算術平均でした。今では株の分割や会社の変更などでもインデックスが突然違う数字にならないように調整しています。しかし単純な価格の平均という性質は変わっていません。

これに対して、S&P500などのインデックスは価格の単純な平均ではなく、その株がどのくらい発行されているか、という要素も加味しています。例えばA社の発行済み株数が1億株で、B社の発行済み株数が10億株の場合、(A社の株価 x 1億 + B社の株価 x 10億)÷ (11億)が平均株価になります。つまり、発行量に応じた加重平均と言えます。Wilshire 5000 Index などもこの方法で計算されています。

Index Fund とIndex

Index Fundは指標となるIndexと同じ値動きになるように投資するFundです。例えばS&P500を指標とする場合、S&P 500 Index が5%値上がりしたら、そのFundの価格も5%値上がりします。つまり、S&P 500 Indexが1000から1050になったら、$100のIndex Fundは$105に値上がりします。

Index Fundが指標とするインデックスが加重平均で計算される場合、そのFundもそれに応じた株数を保有します。上記のA社とB社の場合、発行済み株数は1億株と10億株です。そこで、これを指標とするFundは例えばA社を1万株、B社を10万株、保有して発行済み株数の割合と同じにします。S&P 500 Indexを指標とするFundなら、500社の株をS&P 500 Indexと同じ割合で保有します。

ところが、Fundによっては必ずしもインデックスと全く同じ株を保有しません。Wilshire 5000は(5000という名前にも関わらず)およそ7000社の株のインデックスです。そのうち、取引量が多くて発行済み株数も十分にあるのは上位4000社程度です。それ以下の株は発行量が少ないのでわざわざ買う必要がないか、取引量が少ないので手数料を考えると買うだけ損になる場合があります。そこで、Wilshire 5000 を指標とするFundは、このインデックスと同じ値動きになるように株を保有します。上位4000社程度を保有すれば、インデックスとほぼ同じ値動きになります。FundのProspectus(目論見書)を見てインデックスと同じ株を保有していない場合はこういった理由もあることを思い出してください。

Index Fundがお得な理由

Index Fund はその仕組みそのものが、Mutual Fundとして有利な点になっています。Stock Fundを選ぶときのポイントで長期投資としてのStock Fundで解説した特徴をいくつも持っています。

まず、Expense Ratio が低いことが挙げられます。Index Fundは指標となるIndexを元に株を保有しています。いくら保有するか、いつ売り買いするかなどはインデックスに基づいてコンピューターで自動的に計算します。そのため、株のリサーチ費用などが少なくてすみ、結果として経費(Expense)が少なくて済みます。

2つめにDiversification(分散投資)があります。Indexは元々数多くの株を含みますので、その分、特定の会社に偏らずに投資ができ、Diversificationが実現できます。個々の会社のリスクを減らす事ができるのです。ただし、Indexであればどんなものでも良いわけではなく、例えば Small-Cap Index などは資本金の少ない会社だけに投資していますので、偏った投資になってしまいます。Indexは偏りのないものを選びましょう。

3つめのメリットは税金の抑制効果です。Turnover Rateが高くなるとその分、税金の負担が増える事は前に説明しました。Index Fundの場合は、Indexにしたがって株を売り買いします。インデックスに含まれる株はほとんど変わりませんから、一度買ったらずっと保有しつづける(=キャピタルゲイン税が発生しない)ことになります。新たにFundに追加された資金や、Fundを売った人への現金など、ある程度は売り買いをする必要もあります。それでもActively Managed Fundと呼ばれる、積極的に売り買いするFundに比べれば、不必要な取引がありませんから、その分、節税効果は高いのです。

リスク

市場リスクと企業リスク

リスクにはさまざまなものがありますが、株式に投資するときに重要になるのは市場リスク (Market Risk)と企業リスク (Company Risk)です。市場リスクは、株式市況全体に関するリスクで、不況になれば市場全体の株価が下がり、好況になれば上がるということです。それに対して企業リスクは、個々の企業が持つリスクで、例えば経営陣が企業の舵取りを失敗するリスクです。

個々の企業は、企業リスクと市場リスクの両方にさらされています。企業が経営を間違えば、その企業の株価は下がります。しかし、経済全体が低迷したらいくら良い経営をしていても市場に釣られて株価が下がることがあります。個別株を買うと言うことは、この企業リスクと市場リスクの両方をとることになります。

個別FundとIndex Fund

それではMutual Fundを買う場合のリスクはどうなるでしょうか?Mutual Fundでもファンドマネージャーが積極的に利益を追う個別Fund (Actively Managed Fund)は、そのファンドマネージャーがリスクになります。マネージャーが方針を誤り、損失を出す場合もありますし、逆に見た目の利益を上げるために運用先を安全なものにしてせっかくの利益を見逃す場合もあります。確かに多くの株を持つことで企業リスクは分散されますが、そのFund固有のリスクは無くなりません。

Index Fundの場合、そのファンドマネージャーの仕事は指標となるFundに合わせて資金を運用することです。Indexにもよりますが、マネージャー自身の方針で損失が発生することは少なくなります。IndexでもDowやS&P500など場合は、そのIndexを決める人の判断リスクがあります。さらに多くの株式を含み、機械的に決まるIndex(Wilshire 5000)などは、こういったリスクがほとんどなくなります。つまり、Index Fundの場合は企業リスクを減らし、市場リスクだけになります。

どのリスクを取るか

このように個別株には企業リスクが、個別Fundにはファンド運営のリスクがあります。もちろん、リスクに見合うリターンが見込める場合もあります。もし、投資目標がリスクを取ってもいいから高いリターンを狙う、ということなら個別企業やFundに投資する意味はあるでしょう。

しかし、投資目的が長期的な運用で資産を増やす、リタイアに備えて資金を貯える、子供の大学資金にする、など高いリターンを目指すこと自体が目的でない場合もあります。できるだけ運用成績がよく、かつ余計なリスクを取らない効率の良い投資を目指すなら、企業リスクやファンド運営のリスクをできるだけ無くすIndex Fundがいいでしょう。つまり、Index Fundに投資するの場合は市場リスクだけを取り、リターンは市場の平均を狙う、と言うものです。

なぜ市場リスクだけを取るのが良いことなのでしょう?例えば個別Fundに投資して、その分リターンを狙ったとします。もちろん、その分リスクが増えます。ところが、リスクを取っても、それに見合うほどリターンが増えないことがほとんどなのです。例えば、リスクを5%余計に取っても、望めるリターンは2%しか上がらないのです。それに対して、市場リスクだけを取れば、確かにリスクはあるのですが長期的に見ればリスクに見合うリターンが望めます。他の投資(債券など)に比べてリスクを取った分、リターンが増えるのです。同じリスクを取るなら、それに見合うリターンを一番効率よく得られる方法=Index Fundがいいのです。

ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)

Dollar Cost Averaging = DCA とは、継続的に投資し、証券購入のコストを平均化してリターンを効率よく狙う方法です。一定額を継続的に投資することで、価格が高いときは少ない株数を、価格が安いときには株数を多く購入することで平均価格を下げます。

例えば、毎月$100を投資するとします。株価が$10の月は10株を購入します。次の月に株価が下がり、$5になると同じ$100でも20株、買えます。その後、株価が上がり$20になれば5株だけ買います。3ヶ月間の平均株価は$11.67ですが、自分の所有している株価の平均は$8.57になります。

これはMutual Fundでも同じことです。FundのNAV(Net Asset Value)が低いときには多くのShareを、高いときには少なめのShareを購入していくことになります。このように毎月一定額を投資することで、投資の基本である安いときに多く買うことが実践できます。

ETFの仕組み

ETFとは?

Exchange Traded Fund (ETF=上場投信)とは、株のように取引されているMutual Fund(投資信託)と思えば分かりやすいです。ETFは全体として決まった数の株を保有し、Fund自体を債券化して市場で取引できるようにします。

ETFはそのほとんどがIndex Fundになっています。指標となるIndexはS&P 500、NASDAQ100、Wilshire 5000 などさまざまです。また、Bond Indexを指標にしたBond FundのETFも最近、取引が開始されました。いずれの場合もIndexという、公開された情報を元にFundを作っています。

ETFとMutual Fundの違い

Mutual FundとETFの一番の違いはMutual Fundは1日の取引終了後に価格が決まり、その価格で売買されますが、ETFは株のように証券取引所で絶え間なく取引される事です。この特徴のため、ETFはMutual FundではできないLimit Order(指値注文)ができます。また、株と同様に取引されているので、Short Sell(空売り)やMargin Purchase (信用取引)などもできます。

Mutual Fundは資金の増減に応じて、株を売り買いします。誰かがMutual Fundを買えば、その分資金が増えるので株を買い足し、誰かが売れば、その人に現金を渡さなければいけないので、株を売ります。それに対してETFは最初に株をまとめて保有し、その後は売り買いしません。ETFを買うと言う事はETFが保有する株全体の一部分を保有しているのと同じ事です。株の売り買いをしませんから、ETFの価格はその保有株の変動で決まります。

ETFの利点

ETFの利点は、主に株をほとんど売り買いせずに、ずっと保有する事によって発生します。まず第1の利点は、株を売り買いしませんから、手数料が掛かりません。また、どの株を売るか買うか、という判断も必要ありませんから、管理が楽で、管理費が掛かりません。つまり、一度ETFを作ってしまえば後は放っておいてもいいのです。そのため、経費(Expense)が低く抑えられます。Expenase Ratioを比べてみれば、ETFは0.2%以下のものがあり、普通のIndex Mutual Fundよりもさらに投資効果が高くなります。

ETFは節税効果も高くなります。Index FundはもともとTurnover Rate(株を売り買いする比率)が低いため、Capital Gainの発生が抑えられます。そのため、Capital Gain Taxも少なくて済みます。しかし、いくらIndex Mutual Fundでも、Fundから引き出す人がいれば、株を売らなければならず、Capital Gainが発生してしまうことがあります。それに対してETFは、ETFを売る投資家は市場で他の人にETF自体を売ることになり、ETFが保有している株の売り買いは発生しません。そのため、不必要なCapital Gainが発生しませんから、その分、税金を低く抑えることができます。

ETFの欠点

ETFの欠点は、あえて言えばその利点のために発生する、といって良いでしょう。ETFは経費が低い代わりに、証券取引所で取引され、購入/売却には証券会社への手数料が発生します。株の取引と同様に手数料が掛かるわけです。

取引手数料が掛かるため、小額の投資には向いていません。$1000分のETFを買って、$25の取引手数料が発生すれば、2.5%の経費が掛かったことになります。これでは折角の Low Expense Ratio が無駄になってしまいます。同様に毎月一定額を投資していく方法、Dollar Cost Averaging にも向いていません。毎月、投資するたびに手数料が取られるからです。こういった場合はAutomatic Investmentなどができる従来のMutual Fundが良いでしょう。

ETFは証券取引所で普通の株と同様に取引されていますから、Short Sell(空売り)など、株と同じ取引ができます。これは利点ともいえますが、そのためにETFを短期的な投資(投機)として使う人が多いのも事実です。ETFはExpense Ratioや節税効果など、長期的に保有したときのメリットが多いのですから、株の短期取引と同じに扱うのはどうかと思います。

ETFの投資スタイル

上記のような特徴から、ETFが向いている投資スタイルが見えてきます。まず、長期間、ずっと保有することがETFの利点を引き出す一番の方法でしょう。低い経費、節税効果を活かせます。また、ETFはリタイアメントプランの外で運用したほうが良いでしょう(つまり、普通の投資)。リタイアメントプラン(RothIRA以外)は引き出す際にOrdinary Income Taxが掛かりますが、普通に運用した場合は値上がり分はCapital Gain Taxになります。Capital Gain Taxは20%ですから、こちらのほうがOrdinary Income Taxを取られるよりも有利でしょう。

ETFを購入するのは、取引に株と同様の手数料が掛かることから、大きな額をまとめて投資し、その後は長期間保有する場合に向いているでしょう。最低でも$1000(手数料が$25なら2.5%)、できれば$10,000以上を目安にしましょう。投資期間は最低でも5年以上、リタイアまで時間のある人は、リタイアが近くなりまでずっと保有しているのも良いでしょう。

購入計画

それではIndex Fundに投資をするとき、どのように買っていけばいいのでしょうか?Index Fundは効率よく市場全体に投資し、長期的なリターンを狙うものです。ですから、効率が悪いこと(Load Fundや手数料、短期の売り買いによる税金)を避ける方法が基本になります。

継続的に投資するならドルコスト平均法を使って、毎月一定額を投資するのが基本になります。逆にまとまったお金を一度に投資するのなら、できるだけ安いコストで一度に購入することになります。いずれの場合もコストを抑えるため、No-Load FundでExpense Ratioができるだけ低いものを選びます。さらに企業リスクを減らし、市場全体に投資するためにWilshire 5000 IndexをベースにしたFundに投資するといいでしょう。

Mutual Fundを買ったことがない人や、自分で調べたことがあまりない人は、具体的にどの会社のどのIndex Fundにしたらいいか、迷ってしまうかもしれません。そこで、No-LoadでExpense Ratioが低いと言う条件に当てはまるWilshire 5000 IndexをベースにしたFundの例を、投資額やスタイルで分けて紹介します。このページの情報は2011年4月4日時点のものです。

初期投資$3000以上で継続的に投資する場合


Vanguard Total Stock Market Index Fund (VTSMX)

初期投資額は$3,000で$100単位で自動投資(隔週、毎月など)ができます。No-LoadでLow Expense Ratio (0.18%)です。ファンド保有金額が$10,000未満の場合、年間$20のAccount Service Feeが掛かりますが、郵便でなくオンラインでステートメントを見るようにすると無料になります。。

初期投資$0で毎月$50以上、継続的に投資

T. Rowe Price Total Equity (POMIX)

このFundが私が調べた中で一番金額が低くて始められるWilshire 5000 IndexをベースにしたFundです。通常は口座開設には$2,500以上必要ですが、Systematic Purchaseで銀行口座から自動的に毎月投資する場合、$50から始めることができます(つまり、$2,500の初期投資がなくても始められる)。$2.50/四半期のMaintenance Feeが掛かります($10,000以下のバランスのとき)。また自動投資を止めても構いません(ただし$2000以上口座にないと$10/年のFeeが掛かる)。小額で始めたい人に向いています。

一度に$1000以上投資して、継続しない場合

Vanguard Total Stock Market ETF (VTI)

継続的に投資(= Dollar Cost Averaging)ではなしに、一度に投資する場合、ETFがExpense Ratioで有利になります。VTIの場合、脅威の(!)0.07%です。ETFは株のように取引されるので、証券会社の口座を開き、成り行き、または指値で買います。Vanguard Brokerageで取引する場合、売買手数料さえ掛かりません。

アメリカ国債

国債の種類

アメリカの国債はさまざまな種類があります。大きく分けるとBills, Notes, Bondsと U.S. Savings bonds の2種類になります。Bills, Notes, Bonds は無記名式(償還前に市場で売り買いできる)、U.S. Savings Bonds は記名式(登録された人しか払い戻しできない)になります。

Treasury Bill (T-Bills)

T-Billは1年以下の短期の国債です。額面$1000のものをDiscount(割引)された価格で買い、償還時に額面が返ってきます。購入価格と額面との差額が利息になります。一般的な1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月*1の他に1週間以下(4日や7日といったもの)や1ヶ月以下(12日、19日など)が売りに出される事があります。

Treasury Notes/Bonds

償還までの期間が10年以下のものをNotes、10年より長いものをBondsと呼びます。実際に発行されている期間は一般的なものは2年、5年、10年、30年です。ただし、30年もの国債は新規発行は停止されましたので、新規発行で手に入れることが出来る最長の国債は10年になりました。

Reopeningといわれる追加発行はこれらの期間から3ヶ月、または6ヶ月あとに発行され、償還までの期間がその分短くなっています。例えば5年もの国債の発行があり、そのReopeningが3ヵ月後に発売になれば償還までの期間は4年9ヶ月になります。Reopeningはその時の利率によって額面よりも高くなる場合があります。

NotesとBondsは6ヶ月ごとに利息が支払われ、償還時には額面$1000が払い戻されます。額面は$1000ですが、新規発行分はDiscountされた価格で購入します。利率はCoupon Rateと言われる6ヶ月ごとに支払われる利息に対するものと、Discountで買ったものが額面で返ってくる事による利益の両方を考える必要があります。そこで、それらを含めてYield(利回り)と呼んで、比較しやすくしています。

どこで買ったら良いのか

証券会社

国債を買うのにいちばん簡単な方法は証券会社を通して買う方法でしょう。すでに株式などの口座を持っていて、取引のある証券会社になら電話一本で買うことが出来ます。証券会社を通す場合は、新規発行のものも発行済みでそれが市場で売買されているもの(Secondary Market)の両方とも買うことが出来ます。

証券会社のメリットは、Secondary Marketから買うことも出来るので、いつでも購入することが出来ることです。NotesやBondsは新規発行は月に1回程度(毎月とは限らない)ですし、新規発行がもうない10年を超える期間の国債はSecondary Marketでしか買えません。また、証券会社の口座で国債を維持しておけば、買った時と同様、売ることも非常に簡単に出来ます。

証券会社のデメリットはなんと言っても手数料でしょう。1回の取引で最低でも$50程度かかりますから、少ない金額を買うのであれば、利息がほとんど無くなってしまう事になります。また、これは証券会社だからではありませんが、Secondary Marketでの国債の取引はその時の「時価」になるわけで、投機的要素が多くなります。もちろん、時価で買って償還まで持っているのなら新規発行とそれほど変わりはないのですが、それなら手数料が掛からない方法で新規発行を買ったほうがいいでしょう。投機的な債券の売買をしたいのであれば Bond Mutual Fund にしたほうがDiversifyという意味ではいいでしょう。

いずれにせよ、投機的要素が増える場合はFI的にはお勧めできません。証券会社から国債を買う場合は手数料が掛かること、Secondary Marketであることなど理解した上で、それでもメリットがある場合に限るほうがいいでしょう。

Treasury Direct

新規発行の国債を買うのであれば、Treasury Direct を使って直接買う方法がお勧めです。オンライン、電話、または郵便で購入の申し込みが出来ます。オンラインでの残高照会や再投資などもできますから、証券会社の口座と同じような感覚で利用できます。

Treasury Directのメリットは手数料が掛からないことです。このため、証券会社を通した場合は買うメリットが少ない国債も買うことが出来ます。短期のT-Billは利息の絶対額が少なく、手数料を払っては元さえ取ることが出来ません。

デメリットは新規発行しか買えない事です。T-Billは週に1回程度、Notesは1ヶ月に1回程度の発行ですから、思いついたその日にすぐ買う、ということはできません。ただし、私はこれをメリットとして考えています。というのも、投資は長期的な視野にたって計画的にするのがFI的と考えているからです。ですから、しっかり資金運用計画を考えて、それに基づく投資なら1ヶ月に1回買えれば十分と言えます。

もうひとつのデメリットは、もし償還前に国債を売る必要がある場合、Treasury Directの口座にある国債を証券会社の口座に移し、その後、証券会社にSecondary Market で売ってもらう必要がある、ということです。Treasury Directで買う場合は、基本的には新規発行で買って償還までずっと持っているのが基本なのです。このデメリットは、国債を自分の資産運用の中でForced Saving(強制的な貯蓄)と考えれば、デメリットと言うよりそういう特性であるだけと言えます。

CD vs. 国債

国債や社債など債券は、元本が返ってくるまでの期間が決まっていることから、銀行のCD(定期預金)に近い性質を持っていると言えます。もし自分がChecking口座を持っている銀行でそのままCDに貯金するのなら、ぜひ国債を代わりとして考えて見てください。大抵の銀行のCDよりも利率はいいですし、下記に示す違いを理解すればほとんどの場合で国債のほうが有利になるはずです。

国債CD
期間・1ヶ月から10年まで
・1年物の新規発行はない
・1ヶ月から5年まで
・1日単位で好きな期間を設定できる
金利中程度低~中
税金Federalのみ課税FederalとState両方
保証なし(デフォルトリスクは実質的にない)FDICにより$100,000まで元本保証
中途償還(Call)ありなし

上記の違いから、ずばり、CDより国債のほうが断然有利と言えます。州税が非課税なので、住んでいる州にもよりますが、大抵は国債のほうがCDよりも税引き後の金利は良くなります。また、金利のいいCDを探し回る必要もありません。リスクを気にする人がいるかもしれませんが、アメリカがデフォルトになる確率は限りなくゼロに近いといえるでしょう。アメリカの国債はRisk Freeと言われています。Treasury Directを使えば自宅に居ながらにして国債の売買ができるわけですから、お手軽に余剰資金を預けて置ける場所です。

Treasury Directでの買い方

Treasury Direct での国債の買い方を見ていきましょう。アメリカ在住の方はSSNと銀行口座があれば、2週間程度で取引ができるようになります。

口座の開設

一旦口座を作ってしまえば全てオンラインで取引できるTreasury Directですが、口座の開設だけはサインが必要なのでオンラインでできません。口座を開設するには2つの方法があります。1つめの方法は国債の購入申込書(Treasury Bill, Note, & Bond Tender - PD F 5381)を送付して、購入と同時に口座を開設する方法。
もうひとつは新規口座申込書(New Account Request - PD F 5182)を送付して、口座を開設する方法です。どちらのフォームもPublic Debtの申請書オーダーページ からダウンロードする事ができます。

購入申込書と購入する金額分の小切手を同封して送れば、購入と同時に口座も開設されますので、余計な手間がなく便利でしょう。ただし、T-Bill(満期が1年未満)を買う場合は、個人の小切手では受け付けてくれません。T-Billの場合は、Money OrderかCertified Checkでなければなりません。Certified Checkを無料で作ってもらえる場合は良いのですが、手数料がかかる場合、T-Billだと利息の絶対額が少ないので、多額のT-Billを買わないと割に合わないでしょう。T-Billを少しだけ買ってみたい、と言う場合には、最初に口座だけ開設する方法をお勧めします。

最初に口座だけ開いて、その後、国債を購入する場合は、申込み用紙(PD F 5182)だけ送れば、口座を開く事ができます。申込みする際に、自分が指定した銀行口座から直接引き落としにすれば、全ての取引をオンラインでできるようになります。こうすればMoney OrderやCertified Checkの手数料を払わなくて済むので、小額から始めたい人にはいいでしょう。私はこちらの方法で口座を開き、2週間ほどで口座の開設通知が届きました。

オンライン取引

オンライン取引は通知に書いてある口座番号を使って行います。取引は月曜から金曜のアメリカ東部時間の8a.m.から8p.m.の間Electronic Services for Treasury Bills, Notes, and Bonds からVirtual Lobbyへ入って行います。残高照会もこのVirtual Lobbyで行うのですが、曜日と時間が決まっているのは少し不便です。国債の発行日は事前に決まっているので、計画的にアクセスしましょう。

国債の取引は、国債発行のアナウンス、オークション、発行の順で行われます。T-Billの場合はオークションの前の週の木曜日にアナウンスがあり、月曜にオークション(ここで値段が決まります)、そして水曜日に発行という流れになります。オークションが行われる日はT-Billは毎週月曜日、NotesとBondsは毎月15日か月末、まれに1日と、大体パターンが決まっています。

国債の発行は全てTreasury Marketable Securities Offering Announcement Press Releases のページでアナウンスされます。自分が買おうと思っているタイプに合わせ、オークション前に注文を出します。アナウンスがされてない国債でもT-Billのようにほとんど毎週発行されるものはあらかじめ注文を出しておく事もできます。

TreasuryDirectでは購入できる国債の償還期限が限られていて、例えば 4 Weeks (28日間)のものは買えません。購入できるものだけがリストされますので、その中から選ぶ事になります。個人で国債に投資しようと言う場合は長期的なものですから、4 Weeks がなくても問題はないでしょう。選択可能な期間(3ヶ月、6ヶ月、2年、5年、10年)で再投資を繰り返せば、大抵、自分の望みどおりの期間になります。3年間、投資したければ、2年を購入後、償還時に6ヶ月で再投資、さらにその後もう1回、6ヶ月で運用すればいいのです。

選択可能な期間が限られているので、金利の動向次第では最初からCDで3年固定にしたほうが結局は得、と言う場合もあるでしょう。このような軽いリスク(元本は間違いないが、最高の利息ではないかもしれないと言うリスク)なら、将来、金利が上がりそうなときは、低い利率のCDで固定するより、2年目で再投資をする国債のほうが有利になるかもしれません*2。投資家として各自で判断する部分になります*3

利率の比較方法

国債の利率(Interest Rate)はそのままでは他の金融商品、例えばCDの利率と比べる事ができません。

T-Billの利率

T-Billは途中での利息支払いがなく、Discountで買い、額面価格が償還時に返ってきます。自分で購入価格、額面、期間(日数)を使って表面金利を計算すれば、それがCDなどと比較できる利率になります。T-Billの利率のページ では、「Investment Rate %」と表されている利率がCDと比較するときの元になる利率です(税金の違いは後述)。この利率が表面金利に相当し、比較する場合の利率として使います。


その左にある「Discount Rate %」とは額面を元にした下記の計算方法が使われています*4


1年を360日扱いして計算することや、額面を分母にしているので、他の利率と同じ比較ができないのです。T-Billの場合は常にDiscount Rate は比較可能な利率よりも低く表示されます。

Treasury Note/Bondの利率

NoteとBondは半年毎にCouponと呼ばれる利息の支払いがあり、償還時に額面価格=Face Value(またはPar Value)が返ってきます。また、購入するときは Discount と言って、額面価格よりも安い値段で買うことになります*5。そのため、単純にCoupon Rate(またはInterest Rate)と呼ばれる半年毎の利息を、CDの利率と比べる事ができないのです。そこで、IRR(Internal Rate of Return = 内部収益率)というものを計算し、それが表面金利に相当しますので、これを使います。IRRの計算は面倒なのでここでは示しませんが、Excelなどのソフトや財務電卓で簡単に計算できます。Treasury Directでは、IRRを「Yield %」として表示しています。この数字がCDなどと比べるときの表面利率に相当します。



ここでNote/BondのYieldは複利計算ではないことに注意してください。CDなど銀行の金融商品の場合は、表面利率を「Interest Rate」やAPR(=Annual Percentage Rate)と言い、複利計算で得られる利回りを「Yield」と言います。同じ「Yield」でも意味が違いますので、BondのYieldとCDのAPRを比較しなければなりません。

税率の影響

T-Bill, Note, Bond は州税が非課税になっています。そのため、上記の方法で表面金利が分かったら、それを税引き後の利率と比較します。T-Bill, Note, Bond の場合は実質金利は

       実質金利 = 表面利率 × (1-連邦税率)

で計算されます。一方、CDの場合は州税もかかるので、

       実質金利 = 表面利率 × (1-連邦税率-州税率)

となります。

計算上と現実の違い

上記のように実質金利を計算する事で、計算上、どちらが有利になるか、ということは分かります。ただし、これは計算上の話で、利息が途中で支払われてしまうNoteとBondの場合は、計算上と現実の違いも考慮に入れたほうが良いでしょう。CDは利息を毎月受け取るか、そのまま同じCD口座に残して複利で運用するか、選択できます。複利で運用する場合、利息がさらに利息を生みます。つまり、長期間使わないお金を複利で運用したい場合は、CDは手軽だと言えます*6

国債の場合は利息が支払われてしまうので、それを複利で運用する事はできません。いくらCDよりも実質金利が良くても、その利息を無駄遣いしてしまっては意味がありません。国債を買う場合はあらかじめ、利息の運用先を決めておくと良いでしょう。

Savings Bond

Savings Bond は記名式のアメリカ国債です。記名式ですから、認定された機関から直接債券を買い、認定された機関でのみ換金できます。無記名式のT-Bill/Note/Bondのように流通市場(secondary market)で売り買いはできません。Savings BondにはSeries EE(シリーズ ダブル イー)および I Bond(アイ ボンド)があります。

Savings Bondの特徴

  • 購入単位/額面
  • 購入条件
  • 州税/市税が非課税
  • 換金

購入単位(Denomination*7)は銀行などで証書として購入する場合、Series EE、I Bondともに$50, $75, $100, $200, $500, $1,000, $5,000, $10,000の8種類があります。Series EEは額面の半額で購入します。$50の額面のEE Bondは$25で購入できます。I Bondは額面そのままで購入します。ただし、この額面に大きな意味はありません。購入した額に対して利息が付いていきます。

TreasuryDirectでオンラインで購入する場合、$25以上であれば、1セント単位で購入できます。

Savings Bondの購入はアメリカ市民(Citizen)、アメリカに居住している外国人、アメリカ軍関係に勤める民間人などが購入できます。いずれの場合も社会保障番号(SSN=Social Security Number)を持っている事が条件になります。国債のように外国人が(外国から)自由に購入はできません。購入には年間の上限が決まっていて、$5,000までしか購入できません。ただし、Savings Bondを贈与する場合にはこの購入額の制限を受けません。

Savings Bondの利息は州税/市税は非課税です。連邦税は課税されますが、換金するまで(もしくは購入後30年経つまで)税金の支払いを先延ばしすることができます。

換金(Redemption)は発行月から1年を超えた次の月からできます。ただし、発行から5年以内に換金する場合は、換金日の直近の3ヶ月間分の利息をペナルティとして取られます。

Savings Bond の購入

Savings Bond は大手の銀行の窓口で簡単に買えるほか、TreasuryDirect で購入することができます。また、給与からの天引きでSavings Bondを購入するプランを提供している会社もあります*8。Savings BondはTreasuryDirectに直接口座を持つ場合、特に証書などは発行しません。銀行などで購入する場合は証書が送られてきます。

Savings Bondの種類

Savings Bondで現在、購入できるのはSeries EEとI Bondの2種類です*9

Sereis EE Bondの利率のルールは2005年5月に変更になりました。2005年5月以降発行されるEEボンドはすべて換金されるまで固定金利となり、何年保有しても利率は変わりません。新規発行分の金利は毎年、5月と11月に見直しが行われます。金利は10年もの国債を元に決まるようです。2005年4月以前に発行されたSereis EE Bond は変動金利でした。*10

利息は毎月1日に計上され、半年毎に複利計算されます。利息は毎月計上されますが、Bondそのものを換金するまで引き出せません。Series EE Bond の特徴としては、利息の計算が月単位のため、いつ購入しても次の月の1日には1か月分の利息が計上されます。

I Bondはインフレ率に応じて利率が決まる、インフレ対応型の債券です。I Bondの利率は30年間変更されない固定金利(Fixed Rate)部分と半年毎に変動するインフレーション率(Inflation Rate)部分の合計になります*11。インフレ率は米国消費者物価指数(CPI=Consumer Price Index)が使用されます。利息は毎月計上されますが、換金まで利息の支払いを受けることはできません。

いずれのSavings BondにもFinal Maturity(最終満期日)があり、これを過ぎると利息は全くつかなくなります。Series EEとI Bondのどちらも最長で30年間、利息がつきます。この期間を過ぎると利息はつかなくなりますので、忘れずにFinal Maturityまでに換金する必要があります。

Savings Bondに対する課税

利息に対する州税/市税は非課税ですが、連邦税は掛かります。利息収入ですので、Ordinary Income Taxとして自分の税区分(Tax Bracket)に応じて課税されます。

Series EEとI Bondは利息は換金するまで手にすることはなく、利息に対する税金も換金まで払う必要はありません。この換金時に蓄積した利息分すべてに対する税金を払う方法をCash Basisといいます。特に指定しなければこの方法がSeries EEと I Bondの納税方法になります。

自分が選択すれば、換金時にまとめて税金を払うのではなく、毎年、利息に対する税金を払うこともできます。この方法は Accrual basis と呼ばれます。

自分が保有するすべてのSeries EEおよび I Bondの納税方法は同じでなければなりません。また、一旦 Accrual Basis を選択した場合、Cash Basis へ納税方法を変更するにはInternal Revenue Service (IRS) の許可が必要になります。逆にCash BasisからAccrual Basisへの変更は自由にできます。

Cash Basisでの利息支払いは換金時まで遅らせることができますが、Final Maturityになるか、持ち主が死亡する、名義を変更するなどが発生した場合は、その時点で納税の必要があります。

Savings Bond の利点

Savings Bond の有利な点は、米国債でありながら少ない額($25~)購入できることがあげられます。銀行やオンラインで簡単に購入できることも魅力でしょう。利回りも比較的有利になっていて、州税/市税が非課税なのも利点です。

2005年のEE Bondの金利ルール変更で、魅力だった半年毎の変動金利と言う特徴はなくなりました。そのため、CD(Certificate of Deposit=定期預金)に近い特徴を持つと言えるでしょう。

Savings Bondの面白い特徴は、利息は常に「月単位」で計算されることがあります。毎月1日に利息が計上されるので、月末に購入すればほんの数日で1か月分の利息がつくことになります。それだけで利息が大きく変わるわけではありませんが、購入時期を選ぶことができるなら月末に買ったほうが良いでしょう。

その他にもSavings Bondには教育資金に使う場合は、Education Bond Programにより利息が非課税になるという利点もあります。元本と利息の両方を大学などの Post-secondary institutionsの授業料などに使う場合、利息に掛かる連邦税が免除になります。換金した年と同じ年に教育費を払う必要があり、換金額(元本+利息)よりも教育費のほうが少ない場合は、その割合に応じて非課税分が決まります。Education Bond Programには年収制限があり、2006年の場合、MAGI(Modified Adjusted Gross Income)が$63,100(Single)、あるいは$94,700(Married filing jointly)までは利息の全額が非課税になります。それ以上になると非課税分が減額されていき、MAGIが$78,100(Single)、あるいは$124,700(Married)になると非課税枠は無くなります。

Savings Bondは1.手軽に運用できる、2.利率も(貯金に比べて)割がいい、3.安全である(アメリカ国債としての安全性)という特徴から、余剰資金を1年以上取っておく場合などに有利な運用先といえるでしょう。

*1:実際には28日、91日、182日(または183日)など日数で期間が表されます。
*2:再投資は6ヶ月という短い期間になるので、一般的には金利は低くなります。
*3:自己責任、と言われるものですね。
*4:この言い方は正確ではありません。実際にはDiscount Rateを先に決め、それに基づいて購入価格(Price Per $100)を決めます。
*5:Secondary Market、つまり証券会社から発行済みの国債を買うときは額面価格よりも高い価格で購入する場合もあります。
*6:手軽なので利回りも他の金融商品に比べて低くなっているのです。
*7:日本語で「デノミネーション」というと通貨単位の変更のことですが、これは誤訳が日本で広まってしまったものです。Denominationの本当の意味は紙幣の種類(券種)などで、単位変更の意味はありません。変更のことは Redenominationあるいはrenaming (of currency units)などというようです。
*8:とSavings Bondの説明にはありますが、そういうプランを会社でやっている人を聞いたことがありません。
*9:現在新規発行して購入できるのはこの2種類だけです。Series E、Series Hは1979年以前に発行されたものです。Series HHは2004年9月1日に新規発行が廃止されました。
*10:変動金利だった頃のEE BondはT-Notesを元に利率が決まる変動金利の債券で、半年毎に金利が変動します。毎年2回、利率の見直しがあり、直近の6ヶ月間に発行された5年物Treasury Noteの平均金利の90%がEE Bondの利率になります。
*11:正確には単純な加算ではありません。ここ に詳しい計算方法があります。

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