アメリカでは給与所得者(いわゆるサラリーマン)でも確定申告を自分でします。日本と同じように税金は源泉徴収されますが、年末調整を「御上」がやってくれる訳ではなく、自分で計算します。ですから、自分で税金の仕組みを知って、できるだけ節税しようという意識が高いようです。FIを目指す上で税金をどう払っていくか、という戦略は避けて通れません。賢く税金を払って、自分のFI達成に有利な戦略を立てていきましょう!
税金は所得があれば必ず払わなければなりません。ほとんどの社会人は毎年、所得税を払っていると思います。普通の家庭では年間支出のうち、税金(+ソーシャルセキュリティやメディケアなど)が支出額トップではないでしょうか?それなのに、家計をうまくやりくりしていこうと思ったとき、税金をどう払っていくか、というのは案外、見過ごされているような気がします。税金というと「できれば払いたくない」「どうやったら払わずに済むか」という意識が働きがちです。あるいは給与から天引きされてしまうので、「どうしようもない」と諦めたり、さらには確定申告(Tax Return)でいくらかでも返ってくると、「 得をした」とさえ思う事もあります(得なんてトンでもないです。払う必要の無いお金が返ってきただけなんですから)。
こうやって考えていくと、税金とうまく付き合うのはFI達成のための必須科目といえます。主なポイントは
これは誰もが知っているにも関わらず、案外見過ごされている事です。例えば税控除を受けるためには、Calendar Year(暦年)内にその支出が発生しなければなりません。ある控除項目の対象が$3000以上だったとすると、1年の間にその$3000(以上)を支出すれば控除が受けられるのに、12月に$1500を、1月に残りの$1500を支出した場合は全く控除が受けられません(=税金を余計に払わないといけない)。ですから、状況が許す限り、そういう控除項目が有効になるように支出時期を考える事が大切です。
税金は収入の種類によって比率が決まって必ず掛かってきますが、2つの方法でその税額を減らしていきます。1つは課税となる対象額を減らす事です。Pre-taxで控除する、という言い方をしますが、例えば非課税のRetirement Plan(401KやIRAなど)に「拠出」する事によって、課税対象となる所得額を減らす事ができます。正確にはこれらのRetirement Planに拠出するのは税金を無くすわけではなく、将来に先送りする事になります。401Kから引き出したときに税金が掛かるのです。しかし、税金が掛からなかった分を複利で運用できますから、「有効活用」することによって、将来の受取額が増える事になります。
もう一つの方法は、税率が低い種類に収入を移すのです。例えば株を売ったときは利益が出たら税金が掛かります。 1年以内の売買なら通常の所得税率 (Ordinary Income Tax Rate) が適用されますが、1年以上保有すればCapital Gain Tax になり、一律15%です*1。少しの保有期間の違いで税率が変わる場合は注意しましょう。
税金を他のFI的なお金の運用と切り離して考える事はできません。例えば、$10,000ドル、貯金があったとします。これを5年間運用して、住宅購入の資金にしたいとします。住宅購入という必ず頭金が必要な出費ですから、株などの動きの激しい投資は避けたいとします*2。できれば、比較的安全に運用して、確実な利息を得たいとします。さて、銀行のCertificate of Depodit (CD)の利回りが7%、非課税の地方債が5%だったとします。どちらが運用先としていいでしょうか?答えは「自分のTax Bracket (税率区分)による」になります。Tax Bracket が28%かそれ以下ならCDで7%もらった方が得でしょう。実質利率が7x(1-0.28)=5.04%で地方債よりも高いからです。地方債は非課税ですから5%がそのまま利息として収入になります*3。もしTax Brecketが31%以上ならCDの利率は7x(1-0.31)=4.83%かそれ以下になります。それなら非課税の地方債で5%もらった方が得でしょう。
このように、税金の有無で実質の利率が変わってきます。だからFI的運用は税金/税制/税率を無視しては行えません。CDと地方債の比較なら簡単です。しかし、不動産、Small Business、あるいはローン(住宅ローンと自動車ローンでは課税が異なる)などになると単純に非課税/課税だけの区別でなく、将来に渡っての利益や損失とその期間(長期的な運用か短期で売り抜けるか)で変わってきます。ですから、税制を理解して、総合的に考えていく事が大切です。
アメリカの連邦税は、発生した収入の種類によって税率が違います。例えば給与所得は Ordinary Income としての所得税(累進課税)で15%から35%までの税率ですが、キャピタルゲインは15%または5%の課税になります*1。このように、連邦税はいくつかのカテゴリーに分けて課税され、それぞれ税率が違います。
また、税金はそれぞれのカテゴリー毎に計算されます。つまり、給与所得があれば、それの税金が計算され、キャピタルゲインがあれば、それは給与所得とは別に課税されます。あるカテゴリーが利益ではなく損失になった場合は、そのカテゴリーの税金は払わなくて良くなります。
課税のカテゴリーは次の3つに分けられます。
Active Income は給与や自分のビジネス(自営業)などの収入です。つまりActive Incomeは労働収入です。会社員ならW-2 Formに記載されている額がこのカテゴリーの収入になります。普通はこのカテゴリーの収入に対する税率が一番高く、何とかしてこのカテゴリーの課税対象額を減らす事が節税を考える基本になります。
Passive Income とはその名の通り、受け身=積極的に仕事をしないで得る収入です(FIで大切な不労収入です)。Passive Incomeは Rental Activity と Trade or Business Activityに分けられます。例えば投資用の家を持っていて、賃貸物件として誰かに貸していれば、家賃収入は Passive Income になります。
Portfolio Income は利息、配当金、印税、その他の投資からの収入になります。主に Paper Assetsからの収入になります。このカテゴリーの収入も不労収入になります。
カテゴリー内で課税
例外はいろいろとありますが、基本的には税金はカテゴリーごとに課税対象額を元に決まります。課税対象額は収入から控除や経費、または損失を引いたものになります。この計算はカテゴリー内で行います。例えばPorfolio Incomeとして株Aと株Bを持っていたとしましょう。株Aを売ってキャピタルゲインが発生し、株Bを売ってキャピタルロスが発生した場合、ゲインからロスを引く事で課税対象額を計算します。カテゴリーの全体としての収益に対して課税されるのです。
カテゴリー全体として課税対象額が計算される、という特徴は戦略的に節税を考える上で重要になります。例外はあるものの、同じカテゴリー内なら利益を損失で相殺することにより、比較的簡単に税金の額を減らす事ができるからです。上記の株の例の場合、もし株Bを売ってしまっても構わない(手放すタイミングを待っていた)のなら、株Aで儲けてしまい、多額の税金が発生する年に手放したほうが良いでしょう。同じ年に利益と損失があることで相殺できます。ただし、節税のためだけに損失を出して投資を手放すのは本末転倒ですので、ご注意ください。

同じカテゴリーの利益と損失は相殺できますが、あるカテゴリーで発生した損失で別のカテゴリーの利益を相殺する事は(基本的には)できません。株で損をした場合、Portfolio での損失になりますが、その損失で給与=Active Income に対する課税額を下げることはできないのです。
しかし、これには例外があります。例えばPortfolio Lossを$3,000まで、Active Incomeの利益を相殺するのに使うことができます。このような例外はさまざまなものがあり、こういった例外でカテゴリーの壁を越えて節税対策が可能になります。節税を総合的に考えると言う事は、カテゴリーの壁を乗り越える例外を知り、どのように効果的に使うか考える事です。
控除とは、課税対象になる収入額を決めるため、実際の収入から金額を引いていくことです。実際の収入が$40,000で、控除が$7,000なら、課税対象額は$33,000になります。払わなければいけない税額はこの$33,000を元に計算されます。控除はこのように実際の収入が控除額分だけ無かった事にする効果があるといえるでしょう。後に述べるクレジット(Credit)は控除と違い、税金の額が計算された後に、その税額をあたかも払ったかのようにしてくれる効果があります。クレジットと控除ではその効果が違いますので、注意してください。
標準控除とは、他に控除するものが何もなくても自動的に収入額から引くことができる控除です。2007年分の標準控除は独身(Single)で$5,350、夫婦(Married filing jointly)で$10,700になります。年収が$40,000だった夫婦は、他に何も控除するものがなくても$29,300を元に税額が計算されます。
項目別控除(Itemized Deduction)とは、控除対象になる費目をすべて個別に申請し(Itemized)、控除を受けるものです。控除の対象になる費目の合計額が標準控除よりも少なければ標準控除を選択し、項目別控除の合計額のほうが大きければこちらを選択します。つまり、自分で計算し、どちらか得になる方を選択することができます。また、特別の理由があって標準控除よりも低い額で項目別控除を選択することも可能です。 項目別控除には主に次のような費目があります。
州、市などの所得税、固定資産税、外国での税金などは控除になります。外国での税金はForeigen Tax Credit を選択したほうが得になる場合も多いので注意が必要です。また、車の価値に比例して毎年掛かる Excise Tax などの資産税も控除になる場合があります*1。 特定の利息負担とは、主にMortgage(住宅ローン)、Home Equity Loan(家が担保になっているローン)、Student Loan(学費ローン)などの利息部分です。アメリカの一般家庭で項目別控除を選ぶ人のほとんどはこれらのローン利息負担が控除の大きな割合を占めると思われます。 寄付はアメリカでは盛んで、特に年末になると「控除になりますよー。寄付しましょう!」というコマーシャルがラジオやテレビで流れます。寄付が控除になるのは非営利団体など条件が決まっています。寄付は現金以外に、現物、例えば衣類、車、家庭用品なども認められる場合があります。 医療費は控除になるのですが、収入(正確にはAGI=Adjusted Gross Income)の7.5%以上にならないと控除できません。例えば年収$40,000だった場合、$3000以上の医療支出がないと控除できません。 その他の控除としては投資経費(投資した額ではなくて、それとは別に掛かった経費)、確定申告準備費用(会計士や会計ソフトなど)、転職費用などがあります。これもAGIの2%以上という制限があり、会計ソフト1本だけを控除する、といったことはできません*2。
日本と同様、アメリカでは所得税には累進課税(Progressive Taxation / Marginal Rate System)が適用されます。つまり、収入が増えると、増額分はより高い税率が適用されるのです。逆に控除は高い税率の収入分から適用されます。そこで、自分の税区分(Tax Bracket)が重要になってきます。自分の税区分に適用される最高税率を Marginal Tax Rate(限界税率)といいます。収入の増加も、控除もこのMarginal Tax Rateが適用されますから、このRateがいくらかを知ることは重要です。下記に執筆時点の税区分を示します。
| Single | Head of Household | ||||
| 下限 | 上限 | 税率 | 下限 | 上限 | 税率 |
| $0 | $8,350 | 10% | $0 | $11,950 | 10% |
| $8,350 | $33,950 | 15% | $11,950 | $45,500 | 15% |
| $33,950 | $82,250 | 25% | $45,500 | $117,450 | 25% |
| $82,250 | $171,550 | 28% | $117,450 | $190,200 | 28% |
| $171,550 | $372,950 | 33% | $190,200 | $372,950 | 33% |
| $372,950 | 35% | $372,950 | 35% | ||
| Married Filing Jointly | Married Filing Separately | ||||
| 下限 | 上限 | 税率 | 下限 | 上限 | 税率 |
| $0 | $16,700 | 10% | $0 | $8,350 | 10% |
| $16,700 | $67,900 | 15% | $8,350 | $33,950 | 15% |
| $67,900 | $137,050 | 25% | $33,950 | $68,525 | 25% |
| $137,050 | $208,850 | 28% | $68,525 | $104,425 | 28% |
| $208,850 | $372,950 | 33% | $104,425 | $186,475 | 33% |
| $372,950 | 35% | $186,475 | 35% | ||
自分のAGIだと、どのMarginal Tax Rateになるかを確認してください。この税率が収入が増えた分に対する税率でもあり、控除したときに節税できる税率でもあります。先の夫婦で$40,000の場合を例にすると限界税率(Marginal Tax Rate)は15%ですから、収入が$1,000増えても税金も$150増え(厳密には州税も増える)、実質の収入は$850しか増加しません。逆に$1,000分、控除できる項目があれば、税額が$150減ります。
控除の項目はいくつもあり、大きく分けるとItemize(項目別控除)をしなくても、控除が受けられるものと、Itemizeしないと控除が受けられないものがあります。 Itemizeしなくても控除が受けられる項目は、標準控除(Standard Deduction)を選択している場合でも、標準控除に追加して適用されるので、誰でも恩恵が受けられます。例えば学費ローンの利息に対する控除は、条件さえ満たしていればItemizeする必要はありません。 Itemizeしないと控除を受けられない例としてはMortgage(住宅ローン)が挙げられます。よく「住宅ローンの利息は節税になるからいい」という表現をしますが、これもItemizeをしてこそです。Itemizeできる項目の合計が標準控除よりも低くなってしまえば標準控除を選択したほうが得ですから、住宅ローンによる節税効果はありません。税金をそれだけで考えるのではなく、支出や収入と合わせて総合的に考える必要がある例と言えるでしょう。
控除の適用で述べたItemizeしなくても控除できる費目には下記のようなものがあります。
学校を卒業して新しい仕事に就くため、あるいは転職したために引っ越した場合は、引越し費用が控除できます。引越し先は50マイル以上離れている必要があります。会社が引っ越し費用を負担した場合は認められません。
高等教育のために学費ローンを組んだ場合、その支払利息は$2,500まで控除の対象になります。AGI(Adjusted Gross Income)の制限があり、2006年の場合、Singleは$50,000~$65,000の範囲で、Joint Returnの場合は$105,000~$135,000の範囲で段階的に控除額が減ります(それ以上だと控除できません)。また、控除の対象となる経費には部屋代と食費も含むことができます。
住宅ローン、正確にはその支払利息は控除の対象になります。ローン元本は$1,000,000までである必要があり、対象は自分が住む家とSecond Home(別荘)です。対象となる利息は毎月のローン支払額のうち、利息部分(Interest)で、元本返済分(Principal)は対象外です。住宅ローンを取得したときのポイントは利息の先払いとして扱われ、Main Home(自分が普段住む家)のローンは払った年に控除の対象になります。Second Homeのためのローンのポイントはローンの支払い期間で平均して控除します。また、支払いが遅れた場合の Late Payment Charge (延滞手数料、もしくは延滞利息)も利息として控除可能です*1。Home Equity Loan の場合は借入額$100,000まで、その利息が控除できます。
Refinanceした場合は少し複雑です。もしRefinanceした金額が前のローンの借り入れ残高と同じかそれ以下であれば、新しいローンの利息はすべて控除できます。Refinanceしたときに、ローン残高より高い金額のローンを新たに組んだ場合、以前のローンの借り入れ残高に相当する額までは、その利息が条件無しに控除可能です。以前のローン残高を超えた分は、家の改修などに使われた場合は$1,000,000まで、そうでない場合は$100,000まで、その利息が控除の対象になります。
アメリカではさまざまな寄付が控除の対象になります。控除先は必ず認定された団体である必要があります。
現金、小切手での支払い、あるいはクレジットカードでの支払いは全て控除の対象になります。小切手を送った場合、送った日が12月31日以前であれば小切手が現金化されるのが翌年になってもその年に控除できます。クレジットカードで払った場合は、取引日が12月31日までなら、実際にカード代金の支払いが翌年になっても、その年の分として控除できます。
物品を寄付した場合は、基本的にはその品物の市場価値(FMV=Fair Market Value)が控除額として適用されます。市場価値が年々下がっていくものでも、株などのように市場価値が上がるものでも、寄付した時点の市場価値になります。ただし、取得してから1年以内の物品の場合は、市場価値が上がっていても、取得価格までしか控除する事はできません。
慈善団体に車を寄付する場合、そのルールを理解しておく必要があります。これは2005年から自動車の寄付に関してIRSのルールが厳しくなったため、それ以前の方法は認められなくなったためです。
以前は車の市場価値を納税者が自己申告し、それがKelly Blue Book
などに基づくものであれば、ほとんど認められていました。しかし、2005年以降は、$500以上の控除を申請する場合で、慈善団体が寄付を受けた車を売った場合、その団体が売った金額しか控除として申請できなくなりました。慈善団体はForm 1098-C を寄付した人に発行し、そこにいくらで売れたか、金額がかかれています。
もし、寄付した車が次の条件に当てはまる場合は、市場価値を申請することができます。
また、市場価値で申請を行うときは、中古車としての個人間売買(Private party sales price)の価格を超えることはできません。つまり、ディーラーの販売価格は市場価値とは認められず、一般にはそれより低い金額になる個人間の価格が控除できる額となります*2。
州税や市税は控除の対象になります。これには固定資産税も含まれます。固定資産税は主に住宅に掛かりますが、州や市によっては独自に自動車やボートに税金をかけている場合もあります。もしその税金が、1.その資産(自動車やボート)の価値に応じて税額が決定される、2.一年毎に課税される、という条件を満たしていれば控除の対象になります。実際の支払いが一年毎でなくても、課税が一年毎であれば条件を満たします*3。
自然災害によって損失が発生した場合、その損害額を控除することができます。損害額は次のいずれか少ないほうが適用されます。
購入費用には、改築などをした場合の改築費(Improvement)も含むことができます。購入費用+改築費をその家のBasis(基礎価格)と言います*4。また市場価値の下落分は、修理に必要な費用が相当します。これのどちらが少ないほうということは、例えば家が損害を受けた場合、買値よりも修理費用が安ければ修理費が、あまりにも損害が多く、修理費用が買値よりも高くなってしまう場合は買値が適用される、ということになります。
保険会社から保険金が支払われた場合はその分、控除額が減ります。保険金は一般に非課税ですが、上記のBasisを超えた場合、超えた分は控除が適用されず、税金が掛かってしまいます。これには重要な例外があって、その保険金で壊れた家と同様の家を建て直す場合は非課税にできます。家だけでなく、その他の物品も同じもの(Similar property)を買い直す場合は保険金は非課税になります。
医療費はAGI(Adjusted Gross Income)の7.5%を超えた分だけが控除の対象になります。保険で支払われた分はもちろん控除できず、自己負担分だけが控除の対象になります。医療費控除の対象になるにはかなり大きな出費でないと7.5%の制限を超えないのではないでしょうか。
可能であれば、高額な医療費や、定期的な出費を早める、あるいは遅らせることで対象となる医療費を1年にまとめましょう。そうすることによって7.5%を超えるようにしたり、収入が少ない年に医療費を多く払うことで控除を受けることができます。
Miscellaneous控除は、さまざまな控除項目の合計がAGI(Adjusted Gross Income)の2%を超えた分が対象になります。Miscellaneous控除の項目には次のようなものが含まれます。
確定申告申請費用には税理士に払う手数料のほか、確定申告ソフトウェアの購入費用、E-Fileの手数料、あるいは税金に関する書籍の代金などが含まれます。
投資関連経費でMiscellaneous控除の対象になるものは限られていて、投資アドバイスを受けた場合の費用、会計士/弁護士費用、投資関連刊行物の購読費用、場合によってはインターネットへの接続費用なども対象になり得ます。これらの経費は投資経費として認められるか判断が難しいものがあります。安易に控除として計上せず、税理士に相談するなど、詳しい人のアドバイスを受けたほうが良いでしょう。
Miscellaneous控除として計上できる教育費は、現在自分が働いている職種のスキル向上のために必要なものに限られます。また、教育費は別のカテゴリでクレジット(Hope/Lifetime Learning tax credit)が得られる場合がありますから、どちらが節税効果が高いか検討する必要があるでしょう。
職業関連費用は、仕事のために必要な出費を雇用主が負担してくれなかった場合が対象になります。また労働組合費、制服代、あるいは新しい仕事を探すための費用なども対象になります。いずれの場合も雇用主が負担した場合は対象にならず、またそれぞれの経費毎に基準がありますので、自分の出費が対象になるか、十分調べてから控除するようにしましょう。
税制でクレジットといえば、税額を直接減らしてくれる項目の事です。控除は課税対象になる収入を減らしますが、クレジットは税額を直接減らします。例えば、控除が$1000で、自分のTax Bracket(税区分)が28%だとすると、$280の節税になります。これに対してクレジットが$1000あれば、税額自体が$1000減ります。このように控除の場合は自分のTax Bracketによって節税額は違いますが、クレジットの場合は自分のBracketによらず、金額ベースで税金が減ります。そのため、一般的には控除よりもクレジットのほうが有利となります。
このページの金額は、それぞれのセクションの執筆時点のものです。これらのクレジットを利用する際は、必ず申請年度の金額を確認してください。
クレジットには大きく分けて、RefundableとNonrefundableに分けられます。Refundable(払い戻し可能)とは、もし、クレジットの額が税額よりも多くなった場合、差額を納税者に払い戻すという意味です。例えば、クレジットを除く納税額が$500だったとします。もしRefundableクレジットが$1000あれば、納税額$500を一切払わないで良いだけでなく、差額の$500をIRSから「払い戻す」つまり実質的にはもらえることになります。Refundableクレジットは種類が限られますし、適用できる条件が決まっているので、実際に払い戻しになることは稀ですが、それでも、もしチャンスがありそうならしっかりと確定申告を計算してもらえるものはもらいましょう!
それに対して、Nonrefundable(払い戻し不可能)とは、クレジットは最大でも納税額を超えず、その年の税額を減らすためだけに使える、という意味です。クレジットが納税額を超えても、差額を現金としてもらうことはできません。また、クレジットの超過分は特定の項目を除き、次の年に繰り越すことはできません。
Earned Income Credit (EIC)は主に子供がいる低所得者に対してSocial Security Taxを軽減するために設定されたものです。EICが適用されるのは次のような条件を満たした場合です(金額は2009年の場合)。
実際のクレジット金額は$1から最大で$5,657になり、子供の人数と収入に応じて決められます。
Additional Child Tax Creditは後述するChild Tax Creditに追加して計算されるクレジットです。Child Tax CreditそのものはNonrefundableですが、Additional Child Tax CreditがRefundableになる場合があります。計算は少し面倒で IRS Form 8812 を使って Additional Child Tax Creditを計算します。このクレジットはEarned Income Creditなどに影響しますので、他のクレジットを使っている人の場合、計算はさらに複雑になります。
Child Tax Creditは、17歳未満の子供一人につき$1,000のTax Creditがもらえるものです。Child Tax CreditはNonrefundableですが、上記のAdditional Child Tax Creditに書いてある通り、条件を満たせば最終的に一人当たり$1,000のクレジットがもらえる場合があります。Child Tax Creditは子供がいる家庭の多くが適用できる可能性のあるクレジットです。適用できるのは下記の条件を満たす子供です。
また、申告者本人の収入の制限もあり、MAGI(Modified Adjusted Gross Income)が下記の金額までは一人につき$1,000のクレジット満額が適用されます。
収入(MAGI)が上記の金額以上になった場合、クレジットは徐々に減額されます。減額は収入制限を$1,000越える毎に(端数は切り上げ)、クレジットが$50減額されます。つまり、収入制限を$20,000越えると、一人分のクレジット$1,000が無くなる計算です。減額方法は収入制限に対する超過分で計算されるので、同じ収入であっても子供が多いほうがクレジットは多くなります。
またChild Tax Creditは子供に関するほかのクレジットの代わりではありません。このクレジットと同時に他のクレジット(Earned Income Credit や Child Care Credit)も申請することができます。
大学などの高等教育に費用が掛かった場合、一人当たり最高で$1,650のクレジットが申請できます。確定申告の本人、配偶者、もしくは控除対象になる扶養家族(子供)の教育費が対象になります。このクレジットは高等教育の最初の2年間しか、申請できません。4年制大学の場合、1、2年生の年しか申請できないことになります。
教育に掛かる費用(授業料や学校に払う手数料など)から、奨学金や会社からの補助金を引いた、実質の負担額がクレジット金額の計算の元になります。この自己負担分のうち、$1,100にまでは100%、それを超える分に関してさらに$1,100までは50%のクレジットが認められます。例えば、自己負担が$1,600だった場合、$1,100 x 100% + $500 x 50% = $1,350のクレジットになります(金額は2006年の場合)。
このクレジットにはMAGI(Modified Adjusted Gross Income)の収入制限があります。Singleの場合は$45,000まで、Married filing jointly の場合は$90,000までは制限なしにクレジットが認められますが、MAGIが$55,000(Single)または$110,000(Joint)を超えるとクレジットはなくなります*1。
このクレジットは一人当たりの教育費について最大$1,650までですから、二人の子供が同時に大学の1、2年生だった場合などには、それぞれについてクレジットが認められます。なお、このクレジットをLifetime Learning Creditと同時に同じ人に対しては申請できません*2。また、最低でも2分の1以上の期間、学校に籍がある必要があります。
Hope Creditは2年間しか使えませんが、Lifetime Learning Creditはいつでも使えます。最大額は$2,000までです。Hope Creditの場合は一人当たりで計算しましたが、このクレジットは申請書全体で$2,000までになっています(金額は2006年の場合)。
対象となるのは自己負担の教育費の$10,000までで、その費用の20%がクレジットになります。例えば、その年に払った授業料が$8,000で、雇用主が$5,000負担した場合は、自己負担額$3,000 x 20% = $600 がクレジットになります。
Hope Credit と違い、Part-timeの学生でも認められるので、働きながら夜間、学校に通って勉強している場合も対象になります。また、例えば子供が大学1年生でHope Creditを使い、親がPart-timeで勉強して Lifetime Learning Creditを申請するということも可能です。
Hope Creditと同様の収入制限があり、MAGIが$45,000/$90,000(Single/Joint)まではクレジットが満額認められ、$55,000/$110,000まではPhase-out(割合に応じて減額)していきます。それ以上になるとこのクレジットは認められません*3。
Foreign Tax Creditとは、外国で発生した収入に対して外国と米国で2重課税にならないように、外国で徴収された税金をクレジットとして扱うものです。駐在員が日本円でも給与を受け取っている場合や、日本に銀行口座/投資口座があり利息や運用収入が発生する場合は、税金も日本で取られています。日本で課税された金額をクレジットにすることで、日本の収入に対してアメリカで2重に税金を取られないようにします。
外国で徴収された税金は控除(Deduction)として申告することもできますが、多くの場合はForeign Tax Credit を選択したほうがメリットが大きくなります。理由は
Foreign Tax Credit は外国での収入と米国内での収入の割合に応じて申告できる上限(Limit)が決まります。例えばある年のLimitが$300で、実際に外国で収めた税金が$500だった場合、その年に申告できるクレジットは$300だけです。しかし、Foreign Tax Credit はその特徴として、繰り戻し(2年間)、繰り越し(5年間)ができます。繰り戻し(Carry Back)とは、その年に使えなかった外国での税金(Unused Foreign Tax)をあたかもそれ以前の年に払ったかのように扱うことです。上記の例で言えば、$200が使えませんでした。もし、それより過去2年間の間に外国での収入と税金があり、Limitまで使っていなかった場合、$200を過去にさかのぼってクレジットとして申請できます*4。
また、使えなかったクレジットは繰り越す(Carry Over)こともできます。来年以降5年先までで外国の収入があった場合にクレジットLimitに達しなければ、使わなかったクレジット分も(Limit額まで)申請できます。繰り戻し/繰り越しのルールとしては、最初に繰り戻しを計算し、繰り戻しが可能ならそちらを先に使います。繰り戻しができなかったり、繰り戻ししてもまだ使っていないクレジットが残る場合、それ以降の年に繰り越していきます。
Foreign Tax Credit の申請には Form 1116 の提出が必要ですが、以下の条件を満たす場合、Form 1116の提出は必要なく、上記のLimitも適用されません。
ただし、この方法を使うと、上述のCarry Back/Carry Overは使えません。1099-INTなどが必要なことから、日本のアメリカ系銀行(CITIBANKなど)に預けている場合などが該当します。
Foreign Tax Creditを適用するにはその他にも税金の種類など細かいルールがあり、利息収入以外の場合は複雑になります。AMT(Alternate Minimum Tax)が課せられる場合もありますので、会計士に頼むか、自分で申告する場合はIRSのPublication 514をよく読んでください。
「カテゴリーで考える」で簡単に触れたように、税金はカテゴリー毎に決められます。給与所得があれば、当然課税されますが、他のカテゴリーで損をしたからといって、利益(給与)と損を相殺することは基本的にはできません。しかし、いくつかの特例があり、その特例を使えばカテゴリを越えて利益/損失を相殺し合うことができます。つまり、課税額を下げることができるのです。
この利益を相殺できることはそれほどすばらしいことではありません。節税はできても、結局は損失が発生しているのですから。ところが、収入の種類によっては、架空の損失を計上できる場合があります。架空の損失というと怪しいもののようですが、現金が実際に出て行かなくても計算上で損失を計上できる、という意味です。こういった損失を「Paper Loss」と呼ばれます。Paper Lossは、実際には損をしていないのに損失として計算できるので、メリットが大きいのです。
もちろん、IRSはタダでそういった損失を認めてるわけではありません。実際には、そういった計算上の損失は後で計算上の利益となり、その時点で課税される場合もあります。
一番良く使われるカテゴリを越えて損失を計上できる項目がCapital Lossです。これは、Portfolio Income のカテゴリで損失が発生した場合、年間で$3,000まで、控除できるものです。Capital Loss はPaper Lossではなく、実質の損失になります。例えば株を$10,000買って、その後、$6,000で売った場合は$4,000の損失になります。
上記の例の場合、年間$3,000までしか損失を控除できません。残った$1,000は翌年以降にCarry Over(繰り越し)することになります。翌年、キャピタルゲインが発生すれば、それを相殺するのに使えます。もしキャピタルゲインが発生しなければ、$3,000までは同様に控除できます。Capital Lossは損失を計上して使い切るまで、何年でもCarry Overする事ができます。
Capital Loss は証券を売った場合に発生する実質の損失です。そのため、節税のためだけにCapital Lossを発生させる=株などを売るのは本末転倒です。しかし、保有している株をもう見切りをつけて手放してもいい場合は、思い切って損きりして、損失を計上し、少しでも節税するのも良いでしょう*1。また、低迷しているMutual Fundを売って損失を計上し、別のFundを購入して再投資すれば、投資自体から手を引くことなく、損失を計上して節税する事ができます。

キャピタルロスを計上するために株を一旦売って、すぐに買い戻すというのはどうでしょう?そうすれば、損失によって節税できる上、同じ株を所有しつづけることができます。残念ながらこの方法はWash Saleと言い、損失を控除できなくなってしまいます。株を売った後、30日以内に同じ株を買った場合、Wash Saleとして扱われます。例えば株を4月1日に売って、同じ銘柄の株を4月29日に買いなおした場合、Wash Saleとなって4月1日に売った株の損失を計上することはできません。
すぐに買い直すのではなく、追加の株を先に買ってから、同じ株を30日以内に売った場合はどうでしょうか?この場合も順序が逆になっただけで、Wash Saleになってしまいます。30日以内であれば、前後どちらの場合も買いなおした扱いになってしまいます。

例えばもともと持っていた株をロットAとします。4月1日にロットBとして同じ銘柄を追加で買います。4月29日にロットAを売ります。このロットAは4月29日に売った際には損失になったとします。しかし、同じ銘柄の株の売り買いが30日以内なので、順序が逆になってはいますが、Wash Saleとなり、Lossの計上はその時点ではできません*2。
Mutual FundにもWash Saleのルールが適用されます。しかし、他のFundを買うことでこのWash Saleルールを回避する事ができます。Mutual Fundはさまざまな種類がありますから、別のFundにしてもそれほど利回りが変らない場合があります。ただし、いくらFundを変えてもFundがほとんど同じ物に投資している場合はWash Sale扱いになるようです。例えばA社のS&P 500 Index Fund を売って、B社のS&P 500 Index Fund を買った場合、同じ証券を買いなおしたとみなされるようです。
このWash Saleルールは損失を控除する場合だけでなく、同じカテゴリ内でキャピタルゲインを相殺しようとする場合にも適用されますので注意しましょう。
賃貸物件(Rental Property)を直接保有して不動産投資している場合、年間で最大、$25,000まで損失を控除する事ができます。この控除は年収(AGI=Adjusted Gross Income)が$100,000までは全額申請できますが、それ以上になると徐々に減っていき、AGIが$150,000を越えると控除は一切できなくなります。
賃貸物件の利益/損失は、収入-経費で計算されます。通常は家賃が収入であり、経費はローン利息、修理費、保険料などになります。ここで注目する必要があるのは、物件の減価償却(Depreciation)が認められることです。減価償却とは物件の価値を毎年、少しずつ経費として計上することです。一般住宅の賃貸物件の減価償却は27.5年と決まっています。例えば建物の価値が$275,000の家を買って貸し出した場合*3、毎年$10,000の減価償却が認められます。
減価償却を計上することで、実際のお金の出入りよりも利益の幅を小さくする事ができます。つまり、税金が少なくて済むのです。もし、家賃から(減価償却以外の)経費を引いて$5,000の利益があった場合、現金の出入りとしては$5,000が実際に入ってきます。ところが、$10,000の減価償却を計上することにより、確定申告としては$5,000の損失となります。この損失は架空の損失のようなもので、自分が直接払ってないお金を損失として計上できます。この減価償却による経費の計上は不動産投資の大きなメリットと言えます。
なお、この控除を受けるためには、賃貸物件の管理に直接関与(Actively Participate)しなければならないとされています。自分で大家として直接、テナントとやり取りをしていれば問題ありませんが、管理会社を通している場合でも、テナントやリース契約、修理などの承認を自ら行っていれば、直接関与しているとみなされます。直接管理に関与しない投資の場合はこの控除は受けられず、損失はCarry Over(翌年以降に繰り越し)しなければなりません。
いずれは自分で使うお金を、ある決まった方法で一旦給与から差し引き、特別な口座に拠出すると、その額が税金控除として申請できる場合があります。結局は自分で使うお金なのに控除できるというのはとても「お得」な制度といえます。
リタイアメントプランは税金を先送りする(Tax Deferred)タイプの税金控除です。リタイアメントプランに拠出した年はその額に関して税金控除になります。しかし、引き出すときに(利回りも含めて)税金が掛かることを忘れてはいけません。
リタイアメントプランで税金を先送りする事のメリットは2つあると一般に言われています。1つは税金を今払わなくて済む分、投資に回せる事が上げられます。税率が27%の人は、税引き前に$1,000拠出すれば、税引き後の$730に比べて$230も元手が多くなるので、長期で運用した場合、大きな差になります。
もう1つのメリットは、老後は仕事を辞め、収入が減るので低い税区分になり、先送りしたお金に対してより少ない税率が適用されるというものです。しかしこれは(FIを目指す人に取っては)大きな間違いです。まず老後には収入が低くなるという考えは危険です。将来はわかりませんが、執筆時点(2003年)では、リタイアした後に支出はむしろ増える傾向にあります。支出が増えるという事はそれをまかなう収入が必要ですから、仮に社会保障などの非課税分があったとしても収入は増えなければなりません。また、将来の税率がどうなっているか、現時点ではわかりません。
そこで、税金控除になるリタイアメントプランは1番目のメリットだけを考えて運用しましょう。
RothIRAを除いて、ほとんどのプランは税金控除の対象になります。401(k)、IRA、403(b)などはすべて税金控除(正確にはTax Deferred)です。稀な例外としてNondeductible IRAがあります。Nondeductible IRAは拠出額に対して普通に課税されますが、運用益のみTax Deferredになります。RothIRAは常に先に課税され、引き出す際は非課税です。
Flexible Spending Accounts(もしくはArrangements)とは企業が従業員に対して提供する節税プランの一つです。給与から一定額を税引き前控除し、そのお金で保険でカバーされない医療費などを支払います。控除額は連邦税の課税対象になりません。州税もNew Jersey州を除いて非課税になります。税引き前のお金を使う事ができるので、その分、節税が出来ます。
このプランを会社が提供する場合、毎年12月に次の年にFSAを利用するか、利用する場合はいくら控除するか、聞かれます。FSAに参加する場合、年度の途中では変更できませんから、よく考えてから決めてください。
例えば、次の1年間で$2,600の医療関連経費を自費で負担しなければいけないと分かっていれば、この額をFSAの控除額にします。多くの(米国の)会社は給与は隔週払いですから、1回の控除額は$100になります。医療費が発生するたびに領収書と払い戻し用紙を会社に提出すると、年間の拠出額を上限に医療費が返って来ます。
医療費の支払請求は、年間の拠出額に達していなければいつでもできます。例えば1月に$1500の自費医療費を払ったとします。この時点では払った拠出額の合計は$200だったとしても、すぐに$1500の請求が可能です。
医療費はその年に発生したものでなくてはなりません。しかし、医療費の支払いがその年であれば、請求は次の年になっても支払日から90日以内であれば可能です。例えば12月の終わりに払った医療費を1月になってから前の年のFSAの費用として請求できます。FSAの欠点を回避するために、12月中にメガネを作ったり、薬を買っておく場合、この事が重要になります。
FSAは医療保険で支払われない、自費で払った分が対象となります。医者に行ったときのCo-payment(初診費用)、Deductible(保険の免責金額)、歯科矯正やメガネ、コンタクトレンズなど保険で支払われない医療費がカバーされます。また、2003年から処方箋なしの一般薬(Over-the-counter = OTC Drugs)もFSAの対象になりました。会社ごとにプランの詳細が違いますから、自分の会社のプランがどのような費用や薬をカバーするか確認してください。
自費で支払う医療費分が非課税となるFSAですが、拠出した分はその年に使い切らないといけません。使わずに残ってしまった分はForfeit、つまり無くなってしまいます。そのため、申し込むときに良く考え、必ず使い切る額を拠出するようにしましょう。
FSAは先に述べたように、1年を通じて変更する事は出来ません。しかし、これには例外があります。仕事を変った場合、新しい会社でFSAを利用する/しないの選択が出来ます。また、家族構成に大きな変更があった場合、FSAの利用や拠出額を変更できます。家族構成の変更は結婚、離婚、子供の出産などがあります。また、仕事環境が変ったときも、FSAを変更する事が出来ます。これには労働時間の変更や配偶者の失業や転職があります。
FSAには医療費の口座とは別にDay Care(主に託児所)の費用をカバーするものがあります。Dependent Care Reimbursement Account とも呼ばれ、会社が提供している場合は、年間で最高$5,000までFSAと同じ仕組みで拠出する事が出来ます。
DCA(Dependent Care Account)の対象になるのは、13歳未満の子供か同居家族でケアが必要な場合です。あくまでもDay Careが対象なので24時間のFull Careは対象外です。サマーキャンプなども対象になりますが、泊り込みのキャンプは対象外となります。在宅介護も対象になりますが、これも日中のサービスだけになります。つまり、どのような場合でも「Day」Care、つまり日中のサービスだけが対象になります。
基本的な考え方は、両親が共働きで子供を預けなければいけないから、その分の経費を非課税にするというものです。配偶者の一方が働いていなければDCAには拠出できません。また、パートタイムの仕事など年収が$5,000を下回る場合は、拠出できるのはその年収額までになります。ただしこれには例外があり、一方の配偶者がフルタイムの学生である場合や、障害があって子供の面倒を見れない場合は、子供(あるいはケアの必要は家族)が1人の場合は$2,400まで、2人以上なら$4,800まで拠出できます。
$5,000の拠出上限額は1世帯についてであることに注意しなければいけません。共働きで両方の会社がDCAを提供している場合、上限を超えないようにどちらか一方を利用するか、合計額を計算して調整するなどしてください。
その他にも拠出した分はその年に使わなければいけない、年度中の変更は特別な事情に限られるなどFSAと同じ制限があります。
アメリカでは税法が日本と違うため、従業員の交通費は会社としても個人としても税金控除の対象になりません。そのため、アメリカの会社では交通費は支給されないのが普通です。しかし、もし会社がCommuter FSAを提供していれば、一定の限度額まで交通費が非課税になります。
*1
対象となるのは駐車場代と、電車、バス、フェリー、バンサービスなどの公共機関の運賃です。車で通勤する場合のガソリン代や有料道路代は対象となりません。
Commuter FSAは毎月一定額を給与から拠出し、使った分の交通費を払い戻してもらいます。拠出した分は課税されないので、その分が節約になります。Commuter FSAの特徴は、その年に使い残した額があっても、次の年に繰り越せることです。さらに拠出額も毎月変更可能です。他のFSAと比べて、柔軟性があるのが特徴です。
2008年度の拠出限度額は、駐車場代の場合、毎月$220まで、公共交通機関の場合は毎月$115までとなっています。
米国における確定申告(Tax Return)について解説します。
2009年の確定申告では標準控除に上乗せする形で追加の控除を取ることができるようになりました。
通常の確定申告では標準控除(Standard Deduction)か項目別控除(Itemized Deduction)のどちらかを使います。標準控除は基準を満たせば誰でも一定額が認められます。2009年の標準控除額は下記の通りです。
この標準控除に加えて、Schedule Lで以下の項目を申告することにより標準控除を増やすことが出来ます。
アメリカでは固定資産税は地方自治体(CityやTownなど)に支払います。この固定資産税は通常であれば項目別控除でしか申請できなかったのですが、Schedule Lを使うことで標準控除を使う人でも申請できるようになりました。夫婦合算の場合は最大で$1,000、それ以外の場合は$500まで控除することが出来ます。
これは景気刺激策の一環ですが、2009年2月17日以降に新車を購入した場合、その時に払った州の売上税を控除することが出来ます。
連邦政府が災害地域と認定した場所に住んでいて実際に災害による損失が発生した場合、それを税金控除として申請できます。Form 4684
を使い損害額を計算し、Schedule Lに転記します。
標準控除しか使わない場合でもメリットがあるSchedule Lですが、いくつか注意点があります。
もし項目別控除を行ったほうが有利な場合(より多くの控除額を得られる場合)、Schedule Lではなく、Schedule Aを使う必要があります。上記に示した3項目はどれも項目別控除でも認められるものです。
新車の購入時期は英語では「AfterFebruary 16, 2009」と書いてあるります。2/16よりも後なので、日本語では2月17日以降、という意味になります(税金の書類ではこのような表現が良く出てきます)。
災害による損失を計上すると、ほぼ自動的に監査(Audit)されることになるようです(IRSで働いた経験のある税理士談)。これは間違いやすい控除項目であることも理由ですが、不正が多いのも理由のようです。正しい申請なら監査されることになっても何も問題はありませんので、堂々と申請しましょう。その際には監査を見越して証明する書類を用意しておくと良いでしょう。
Schedule L
[PDF]
オバマ大統領の景気刺激策の1つ、Making Work Pay クレジットを精算するためのフォームです。このフォームでは以下の事項を確認し、いくらクレジットがもらえるか計算します。
収入の金額によってもらえるクレジットの金額が変わります。多くの人は$400(独身)、または$800(夫婦合算)です。収入が少ない場合は、年収の6.2%がクレジット金額になります。
収入が多いとクレジットが減らされたり、まったくもらえなくなります。
社会保障を受け取っている人は一律で$250がEconomic Recovery Paymentとして支払われているはずです。もしこれを受け取っていて、且つMaking Work Pay クレジットも受け取る資格がある場合、合計でも$400までしかもらえません。フォームではEconomic Recovery Paymentを差し引く計算をします。
このSchedule Mは1040、1040A、および1040NRと共に使います。1040EZ
を使う場合には2ページ目にある同等のワークシートを使用します。
PDF:
Schedule M
Making Work Pay and Government Retiree Credits
2009 Instructions for Schedule M (Form 1040A or 1040) ![]()