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州税と529

通りすがり

さて、もう少し529を掘り下げてみようと思います。各州での税金面での比較。

私はCA住まいなので、他州を見てもなんの意味もないのですが、比較することによって「CAに住んでて529に出すのがばかばかしい」と再認識することにしようと思います(笑
もっとも529の州税関係は毎年のように変わっていくので、ひょっとしたら私が調べたものが古い情報な可能性があるので注意してください。

いきなり最初に「州税に529 contribution deductionの無い州」から行きましょう。
括弧内は州の最高税率。New HampshireやTennesseeはWage Taxがありません。
California(10.55)
Delaware(6.95)
Hawaii(11.00)
Kentucky(6.00)
Massachusetts(5.30)
New Hampshire(5.00)
New Jersey(8.97)
Tennessee(6.00)

そもそも州税が無い州。
Alaska、Florida、Nevada、South Dakota、Texas、Washington、Wyoming。

これらの15州にお住まいの方は、これから列挙する州の特典を見て、「ずるいっっっっッ」と思わない場合においてのみ529の拠出をIRAやSavings Bondsよりも優先しても良いのかもしれません(笑

拠出全額が州税からdeductできる州があります!
Colorado(4.63)
New Mexico(4.90)
South Carolina(7.00)
West Virginia(6.50)
Colorado以外はabove-the-lineのdeductionです(すなわちitemizeの必要無し)。

その他の州は、次のような感じでmaximum deductionが決まっています。得に表記が無ければJointでのmax値です。
Alabama(5.00) - Max $10k
Arizona(4.54) - Max $1.5k (どの州のplanでもdeduction可)
Arkansas(7.00) - Max $10k
Conneticut(6.50) - Max $10k
Georgia(6.00) - Max $2k (per beneficiary)
Idaho(7.80) - Max $8k
Illinois(3.00) - Max 20k (employer matching tax creditあり)
Iowa(8.98) - Max $5.622k
Kansas(6.45) - $6k (どの州のplanでも可)
Louisiana(6.00) - $4.8k
Maine(8.50) - $0.25k (per beneficiary.どの州のplanでもdeduction可)
Maryland(6.25) - $2.5k (per beneficiary)
Michigan(4.35) - $10k
Mississippi(5.00) - $20k
Missouri(6.00) - $16k (どの州のplanでもdeduction可・・・のはず?)
Montana(6.90) - $6k
Nebraska(6.84) - $5k
New York(8.97) - $10k
North Carolina(7.75) - $5k
North Dakota(4.86) - $10k
Ohio(5.925) - $2k (per benficiary)
Oklahoma(5.50) - $20 (per beneficiary)
Oregon(11.00) - $4.18k
Pennsylvania(3.07) - $13k (どの州のplanでもdeduction可)
Rhode Island(9.90) - $1k
Utah(5.00) - 5% tax credit up to $3.48k (per beneficiary)
Vermont(8.95) - 10% tax credit up to $2.5k (per beneficiary)
Virginia(5.75) - $4k
Washington DC(8.50) - $8k
Wisconsin(7.75) - $3k (per beneficiary)

こう列挙すると、Missouriのmax 6% tax rateで$16kまで拠出可能な上に他州のplanでもOKというのは凄いです。
いくつかの州はabove-the-lineのdeductionやtax-creditなのでitemizeの必要が無いなどという特典もあったり。

あとはwaiting periodの無い州があるので、
- 必要な年に必要なだけ529に拠出してすぐ使う(笑
というshort-term tax benefitが享受できる素敵な州があります(結構有名なtax loophole...)
大抵の州は1年待たないと使用してもstate tax deductionに使えないようですが、どうせCAにはそんな特典がそもそもないのでしっかり調べていません(笑

州税特典がある州の居住者はmax deduction額までの拠出は非常に有意義です。
州税特典を他州のPlanでも適用できる場合は、low expense ratioの良い他州のplan(さらっと見た感じだとGerogiaとかMichigan、New York、Utahあたりはよさそう)を。

私は、この数値を実際に列挙して「うはっ、みんなズルい」と思ったので、やっぱり401k/IRA/SavingsBondsの方が優先です(笑

通りすがり 2013/03/15(金) - 15:53

>Nobuさん

本当に色々ですよね。
Deduction上限も色々($0~無限)だし、最高税率を喰らう条件も色々(例えばCAなら$1M、NYは$0.5M、MA/Utahとかだとflat、Missouriなんて$9k/yearで6%とかなので6%未満の人のが少ないんじゃ 笑)。
ミズーリは"16k max deduction", "out of state OK", "above-the-line"と正直別格レベルですが、意外とNYも「都市的利便性」「10k max dedeuction」「大学選択の広さ」「state planのよさ」を見ると居住者面ではバランスはいいです。
UtahやVermontのtax creditパターンも見逃せませんね。Utahはplanも優秀ですし。

> Cheeさん
ずるいですよね~~~~~羨ましすぎですよ、tax advantageのあるstateの住人は・・・
でもクソ高いCAのstate taxを考えれば、MAのflat 5.30は羨ましいんですけど(笑
その上でEducation系のRankingでMAってどういう項目でも大抵top3に居ますし、子供を育てるには良い所だと認識しております。
CAだと、大学はともかくK-12とかはnational average以下のperformanceしか出していませんよね。

mikichin 2013/03/15(金) - 16:13

すごく有利な州がたくさんあるんですね。
私はCAですが、distributions がTax freeということだけで投資口座よりいいかなと思って
小学生のときから作っています。
州税のTax advantageが無いことについてはあきらめてます。
Bondは毎年は買っていませんでした。
レートがいいときだけ家族の人数分作ってました。もったいなかったですね。

通りすがり 2013/03/15(金) - 22:40

>mikichinさん
529も悪くはないんです、悪くは(笑
401k/403bやIRAを埋めた後の戦略としては当然ありです。
ただ私はSavings Bondsを先に埋めた方がいいと思うんですよね。
また、時間が出来たら529に関して掘り下げたいと思います。
CA在住の人たちにI bonds > 529と啓蒙するために(?笑).

>ポピーさん
そうなんです。CAって本当にコスパ悪いんです。
公共関係のみならず、住宅事情もSouthern CAやSF Bay Areaなどは最悪ですよね
(高い、狭い、古いの3重苦に結構なお金をつぎ込まなくてはならない 笑)

mikichin 2013/03/16(土) - 03:36

こんな記事を見つけました。
http://www.treasurydirect.gov/indiv/planning/plan_education.htm
http://www.bankrate.com/brm/news/DrDon/20090601_savings_bonds_college_a…

このbankrateの質問では、結局税金を払わないとbondから529planへの移動が
できないとの回答でした。

そういえば、私がSaving bondをあまり作らなかった理由を思い出したのですが
interest exclusion phase outのせいで税金優遇があまりないことでした。
ついでにこの"Tax Benefits for Education"もざっとみてみました。
http://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p970.pdf

子供名義のbondに関しては大学に通う18才は、無収入ってことにしてTax freeで現金化
できそうな気がしますが、親が現金化すると税金優遇を得ることはできないですよね。。
Who Can Cash In Bonds Tax Freeの項目をみてみると、オーナーは大人じゃないと
いけないみたいですね。

The owner must be at least 24 years old before the
bond's issue date.

Bondはやっぱり失業や引退して収入が少ないときに現金化することにします。
でも皆さんの知っている抜け道(?)があったら教えてください。

通りすがり 2013/03/16(土) - 06:39

う~ん、このDr.Don、壮大な勘違いか何かをしてると思いますよ。
まずSavings BondsといったらForm 8815ですが、
http://www.irs.gov/pub/irs-pdf/f8815.pdf
のinstruction(p.3)のline 2に"Qualified Education"の説明がありますが、

Qualified higher education expenses include tuition and fees required for
the enrollment or attendance of the person(s) listed on line 1, column (a),
at the institution(s) listed in column (b). They also include contributions
to a Coverdell ESA or a QTP for the person(s) listed on line 1

QTP(Qualified Tution Program)を含むとしています。このQTPってのはpub 970
http://www.irs.gov/publications/p970/ch08.html
で定義されていて、

Qualified tuition programs (QTPs) are also called “529 plans.”

ようするに、Coverdell ESAや529 planなら"Savings Bonds的"にはQualified Higher Education Expensesです。

また、
If you qualify for the Education Savings Bond Program, you don't need the tax benefits of the 529 account -- you'll get the benefits from the program.
とおっしゃってますが、529 accountでは受けられてeducation savings bond programでは受けられないexpenseがあるので、これはCFA/CFPが言うべきセリフではないのでは無いかと思います(笑

mikichin 2013/03/17(日) - 00:21

通りすがりさん

プロに聞けっていうコーナーなのに、当てにならないのですね。なんと。
通りすがりさんの方がリサーチがすごい。

ところで、私が教育資金に529を主に使う理由は、Income limitation無しにFederal&State Tax freeの引き出しができることです。
bondは引き出しの時に州税は無税ですが、連邦税の方がどうしてもかかってしまい、使う勇気がでません。
このまま子供に相続されるかも?
以下の部分が私がBondに入れ込めない理由です。結局連邦税を払うので。

Tax Year 2012 Income Limits

For single taxpayers, the tax exclusion begins to be reduced with a $72,850 modified adjusted gross income and is eliminated for adjusted gross incomes of $87,850 and above. For married taxpayers filing jointly, the tax exclusion begins to be reduced with a $109,250 modified adjusted gross income and is eliminated for adjusted gross incomes of $139,250 and above. Married couples must file jointly to be eligible for the exclusion.

通りすがり 2013/03/18(月) - 19:04

529への拠出自体は悪くは無いです。が、他のtax advantage accountと比較した場合利用タイミングのリスクと対象リスクが大きすぎるのが欠点です。

まず話を簡単にするために、
A. 401k/IRAをLimitまで拠出していない
B. 401k/IRA/Savings BondsをLimitまで拠出してなおお金があまる状況
な家庭を除外します。前者の家庭ではまず401k/IRAを埋めましょう。後者は好きにしていいと思います。

ようするに問題になるのは、
C. 401k/IRAはLimitまで入れました。子供のために優先的に529にいれるべきですか?それともSavings Bondsがいいですか?
というご家庭の疑問ですよね。

こういったご家庭の場合、529に拠出した額は「子供のために利用する」ことを前提にしてると思います。
上述のBの家庭の場合は孫や甥姪への利用もありだと思いますが(なおPlanによってはBeneficiary変更に制限があるので注意)、
Cのご家庭(以下'C家庭')の場合は学資投資とは自分の子供に使うことを前提としていて、
学資として貯めていたお金とは別に学資資金が突然降って沸いたりするようなリッチ層では無いはずです。
したがって、C家庭の529拠出にはPenaltyの存在リスクがある(子供で使い切りたい・使いきらなくてはならない・余らすほどの余裕は無い)ことになります。

529のPenaltyを喰らう確率は529に拠出すればするほど上がり(使いきれない可能性が出てくる)ます。
いったいいくら学費があればいいのか?
それが判れば苦労しませんし、多く見積もって沢山拠出しているとPenalty確率が跳ね上がり、少なく見積もってあまり拠出していない場合だとそもそもTax Advantageの意味が薄れます。
昨今の値上がり傾向を見るかぎり、かなり予測するのが難しい分野だと言えると思います。
そもそも今のペースで値上がりしたら、needにしろmeritにしろaidを受けれない場合や受けられない大学には一般家庭は子供をまともに行かせられない状況になるのは明白ですので、本当に今のままの値上がり傾向が続くのかは疑問がつくところです。

また529を利用するタイミングで本当にMarketがまともなのか判らない。結局使う段階になったら同一額で貯めてた場合 529 < Savings Bonds - 利子*連邦税だったというシチュエーションも十分ありえます。
(実際同一額を毎月拠出していたS&P500 IndexがSavings Bondsを上回る期間はSavings Bonds Startの1998年以降、ごくわずかな期間だけです:http://www.mymoneyblog.com/us-savings-bonds-have-outperformed-stocks-si…)

一定の限定期間に必ず使用することが想定されているお金は安定的に運用するべきだと思うんですよね。税金うんぬん以前に。
ごく一部の529 planをのぞき、Conservative運用にも限界があります(FDIC-Insured Savingsを組み込めるlow ER planってUtahぐらい? 100% Bondsすら無いplanが多い)

そもそもC家庭の場合AGIがPahse Out近辺じゃありませんかね?ちょっとした事でPhase Out未満になり得る状況というか。
ちょっと何らかのイベント(怪我、病気、転職)で収入が下がった状況において、その時の大学費用動向やその時の税制をみつつ529にrolloverするという方が結果的に安全かつ有利じゃないでしょうか。

もちろんmixedなallocation(Savings Bondsと529双方にそれなりに拠出する)もありですが、529 Onlyは戦略的に穴が大きすぎです。
学資のMixed Allocation戦略はいずれ書こうと思います。

通りすがり 2013/03/18(月) - 22:35

余談ですが(大抵の人には関係無いと思うのですが)、$5Mのlife time gift tax exemptionに掛かりそうなぐらいの資産を残す予定である人は529は一目に値します(笑
5年に1度一人頭$65kを(実質非課税)かつlife time gift taxの枠を使うこと無く行えます。
life time gift tax exemptionとは別に、ご存知のようにannual gift tax exclusionがありますが、これは年間exclusion額*5を5年に渡って償却する形で行えます。
例えばAさんが、息子Bさんにお金を移したい場合、Bさんの子供Cさんをbeneficiaryとして529を作ります。
$65kを529にいれた後、OwnerをBさんに変更すれば(529は'completed gift'なのでbeneficiaryを変えない限り非課税)$65kはBさんが好きに使える資産になります。
Cさんの大学費用に使っても当然いいのですが、earnings * (連邦税+10%)さえ払えば、何に対してでも使えます。これは総量にかかるgift taxの40%に比べたらごくごくわずかなはずです。
(というか、すぐ使うなら実質税金0)

またbeneficiaryの変更も世代を越えない同世代間かつfamily間ならば変えてもtax eventは発生しませんから、Cさんの兄弟や従兄弟などを利用して$65k * 頭数を拠出した後、beneficiaryをCさんに変えて、その後Ownerを変更すればもっと沢山のお金をlife time gift taxに掛かること無く、かつgift tax eventを発生させることなく行うことが出来ます。

例えばAさんの息子Bさんに、Aさんはいっぺんにかなりの額を渡したいと思ったとします。
Bさんには子供Cさんが、Cさんには従兄弟D, E, F, G, Hがいたとします(直系である必要はありません、Bさんの配偶者の甥・姪でOK)。
scheme
1. AさんがC, D, E, F, G, Hにそれぞれ$65k(総額$390k)の529を開けます
2. AさんはD, E, F, G, Hがbeneficiaryになってる529のbeneficiaryをCさんに変更します
3. AさんはOwnerを自分からBさんに変えます
4. Bさんは"earnings * (federal tax + 10)"さえ払えば529のお金$390kをを自由に出来ます

かなりヤバい系のloopholeで、2007年ぐらいにはIRSからコメントが出てたはずですが、いっこうに塞がる気配はありません。retroactiveで変更するかも知れないとのコメントが出たっ切りですね。
このでっかいloopholeがあることも、私を529に懐疑的にさせる要因になっています・・・変わる可能性が高いし、そもそも10数年後にあるのか甚だ疑問が・・・・杞憂だとは思うのですが。
(webで"529 gift loophole"とか"529 estate loophole"とかで検索するといっぱい話が出てきます)

ちなみに、これを実践して、後からretroactiveで課税を喰らったとしても通りすがりは一切責任を持ちませんのであしからず・・・
これを受けてか、一部のstate planではowner変更が出来なかったりします(NYとか)。それはそれで問題なのですが。

別エントリで書こうかと思ったのですが、ここにぶら下げておきます(笑

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